自然の造形はなぜこんなに美しいのか――『自然がつくる不思議なパターン』著者が語る

Photo Credit: Shebeko, Shutterstock.com
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ピタリと収まる
層になってひしめく泡はほとんどが六角形をしているが、全部が正確な六角形というわけにはいかない。中には、辺が五つや七つの欠陥品もある。それでも興味深いことに、接合点は三つの壁が約120度の角度で接すると決まっている。


Photo Credit: Heiti Paves, Shutterstock.com
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Photo Credit: Tomatito, Shutterstock.com
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泡の視覚
六角形の個眼が隙間なく並んだ昆虫の複眼は、泡の集合によく似ているが、実際にはレンズが集まったもので、その下に細長い視細胞がつながっている。生体細胞のクラスターがつくる構造は、泡の集合とほぼ同じ法則から生まれるものが多い。例えば細胞壁も、一つの頂点で接するのは三つだけである。ハエの個眼の微細な構造はその好例だ。個眼は感光細胞が四つ集まっているが、四つの泡の集まりと同じ形をしている。


Photo Credit: Nikola Rahme, Shutterstock.com
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構造色
チョウの翅の鱗粉に平行に並ぶ細かいすじが光と干渉し、特定の波長の光だけを反射する。色素による光の吸収ではなく、物理的な構造が光と干渉することによる発色だ(ここでは玉虫色の青と緑)。ある種のチョウの鱗粉をもっと拡大してみると、さらに細かい複雑な構造が見つかる。


Photo Credit: Kuttelvaserova Stuchelova, Shutterstock.com
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しずくの形
撥水性の表面に落ちた水は小さい水滴に分裂する。水滴の形はおもに水の表面張力で決まる。表面張力に引っ張られてほぼ球形になるが、ほかに重力および水と葉の表面との間に働く力が影響する。後者の力が強ければ水滴はレンズ形になる。表面の撥水性が弱ければ広がって膜状になる。

訳=桃井 緑美子(写真説明)

多様で複雑だが見事な規則性がある自然界の秩序を、数学と科学そして美しい写真によって探求する、自然の神秘に驚かされる究極の写真集。

[ビジュアル図鑑]自然がつくる不思議なパターン
価格:本体4800円+税
フィリップ・ボール 著
桃井 緑美子 訳
サイズ:サイズ:天地254mm×左右215mm
288ページ

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