ナショジオ的「大英自然史博物館展」に行ってみた。写真27点

 ダーウィンに行く前に、もうひとつだけ大事なコレクションを紹介しましょう。世界はいまあるように神様がつくったという聖書の世界観をひっくり返した世界初の英国の地質図です。

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ウィリアム・スミス
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 地質の重なりを詳しく調べてみると、どう考えても地球や生物がずっと前から同じではないことが明らかになりました。測量技師のウィリアム・スミスがそれぞれ1815年と1819年につくったものですから、オーウェンやダーウィンが活躍するだいぶ前。つまり、進化論の下地はすでにちゃんとあったわけです。

 お次はいよいよダーウィンのコーナーです。さすがの充実ぶりでしたが、なかでも編集部Sのイチオシはこれ。

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チャールズ・ダーウィン。おなじみです。
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 左じゃなくて右の小さいほう。なんと実際にダーウィンのペットだったガラパゴスゾウガメです。ペットだっただけあって、とてもかわいいカメでした。ちなみに、左はダーウィンが保護に貢献したインド洋、アルダブラ島のアルダブラゾウガメです。

 実はダーウィンとは別の観点から進化論にたどりつき、同時に進化の仕組みを提唱した英国の博物学者がアルフレッド・ウォレスです。状況証拠がじわじわとそろってきた時期ですので、それも当然と言えば当然ですが、ウォレスに負けじとダーウィンが急いで『種の起源』を完成させたために、後世の知名度はダーウィンのほうが圧倒的に上回りました。

 その「ダーウィンになれなかった男」ウォレスがボルネオ島で捕獲したオランウータンもいます。

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アルフレッド・ウォレス
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 根っからの博物学者であるウォレスが、アマゾンやマレー諸島で集めたさまざまな生物は大英自然史博物館にたくさん保管されています。とても興味深い人物なので、ぜひ特集をどうぞ。このオランウータンの写真もあって、まったく同じポーズをしています。当たり前ですが。

>「ダーウィンになれなかった男」
>「オランウータン 樹上の危うい未来」

 ダーウィンが『種の起源』を発表してから2年後、今回のコレクションの目玉のひとつである始祖鳥の化石が1861年にドイツで発見されました。始祖鳥としては2番目に見つかったものですが、骨格まであった化石は初めてで、1863年にリチャード・オーウェンが論文で報告します。

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 最近は恐竜が羽毛を持っていたことや、鳥が恐竜の直接の子孫であることがわかったりして、鳥と恐竜についてさまざまなことが明らかになっています。それでも始祖鳥はいまなお最初の鳥とされています。なかでもこの標本は種を規定する大変に貴重なもの。よくぞ大英自然史博物館が持ち出しを許可したと思って質問してみたら、世界巡回する中で、この標本を展示するのは日本だけだそうです。ラッキー!

>「恐竜から鳥へ 羽はどうやってできたのか」
>「始祖鳥の翼は黒かった」
>「驚きの恐竜展を開催、もはや鳥展、米NYで」
>「羽毛恐竜に鳥のような翼を発見、始祖鳥以前」

 ダーウィン以降も博物館には世界各地のさまざまな標本が集まります。目に付いたものを2つだけですがどうぞ。

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