「大地のハンター展」に行ってみた。 絶滅したあの動物の超貴重な標本も! 写真15点

体長10メートルを超え、中生代最大のワニ類だったデイノスクス。
体長10メートルを超え、中生代最大のワニ類だったデイノスクス。

 2020年の春にコロナ禍で開催直前に延期され、感染対策を徹底してやっと実現した国立科学博物館の「大地のハンター展」。大好評だった2016年の「海のハンター展」の陸バージョン、しかも300点を超える貴重な標本や映像を展示ということで、いやがうえにも期待が高まります。生きものたちの「食うか、食われるか」のドラマには、どんな驚きや秘密が隠されているのでしょうか。さっそく見てゆきましょう。

「陸の上にも4億年」というフレーズのとおり、第1章「太古のハンター」は捕食の起源に関わる「顎(あご)」の進化から始まります。

 ではここでハンターにまつわる超基本的な質問をひとつ。海であれ大地であれ、ハンターたちの顎は2つのタイプに分かれます。どんなタイプでしょうか? ヒントは古生代(5億4100年~2億5200年前)に生きた、次の2つの生物です。

動物が陸上に進出したシルル紀(4億年4300万年~4億1900万年前)に海で繁栄していた節足動物ミクソプテルスの復元モデル。
動物が陸上に進出したシルル紀(4億年4300万年~4億1900万年前)に海で繁栄していた節足動物ミクソプテルスの復元モデル。
古生代後期の大型捕食者だった脊椎動物のエリオプス。体長は2~3m。
古生代後期の大型捕食者だった脊椎動物のエリオプス。体長は2~3m。

 答えは顎が左右のヨコに動くか、上下のタテに動くか。なんだ、そんなことかと思われるかもしれません。でも、昆虫や甲殻類などの節足動物の顎はヨコに、現生の脊椎動物の顎はタテにしか動かず、きっちりと分かれています。それは、いったん動く顎をもったらそれぞれでどんどん進化していった、つまり、顎による捕食が進化における大きな鍵だった証です。

 続く展示は今回の目玉のひとつ。体長が10メートルを超える巨大なワニの仲間「デイノスクス」の生体復元モデルと頭骨の骨格標本でした。10メートルと言えばほぼ大型バス。もしもそんなワニがこんなふうに向かってきたら怖いだろうな……。

デイノスクスの生体復元モデルは、今回の特別展のため、学術的な検討を積み重ねて精巧に再現された。
デイノスクスの生体復元モデルは、今回の特別展のため、学術的な検討を積み重ねて精巧に再現された。

 デイノスクスはティラノサウルス類もいた白亜紀後期のワニの仲間でした。ちなみに、古生代から中生代(2億5200万年~6600万年前)までのワニは今よりずっといろいろで、飛んだり跳ねたりしたものもいたそうです。(参考記事:「二足歩行のワニの足跡発見、1.1億年前の新種、韓国」

 なお、中生代では恐竜も代表的なハンターですが、デイノスクスのうしろのイラストをはじめ、今回恐竜は脇役に徹していました。「恐竜博2019」もありましたしね。(参考記事:「「恐竜博2019」ギャラリー:恐竜のイメージを変えた歴史的な化石たち 写真13点」

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