生地がほどよい硬さになると、ジャネットさんはフライパンを火にかけた。そして、手頃な大きさに生地をちぎってくるくると丸めてから、表面が平らになるように軽くおさえて成形し、油を引いたフライパンに載せていく。直径5~6センチ、一回り小さくしたイングリッシュマフィンようなかたち、といえばわかりやすいだろうか。

アレパは隣国のコロンビアでもよく食べられている。「ベネズエラでは水で混ぜるけれど、コロンビアはミルクを使うことが多いのでは。かたちも大きくて薄いですね」とジャネットさん
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「直径10センチくらいの大きさでつくるほうが一般的だけれど、私は食べやすいように小さくしているの」とジャネットさん。ジューッと音を立てながら、アレパがふんわりと焼き上がっていく。

「だいたい4分くらい焼いたらひっくり返して反対側も焼きます。表面に焼き色がついたらできあがり」と言いながら、ジャネットさんがお皿の上に焼きたてのアレパを載せた。香ばしいトウモロコシの香りが漂う。たまらなくなってひとつ味見をさせてもらうと、外はパリッとしていて中はもっちり。トウモロコシのちょっと甘い風味がふわっと広がった。

焼き上がったアレパ。朝のうちにたくさん焼き、昼食にもアレパを食べたりするという
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「シンプルにバターをぬって食べたりもするけど、側面から水平に切り込みを入れて2枚に分け、ハムやチーズ、スクランブルエッグなどを挟んで食べることが多いですね。一番人気の具はカルネ・メチャーダ。これは時間がかかるので、今回は先につくっておきました」

 ベネズエラの公用語であるスペイン語でカルネは「肉」、メチャーダはジャネットさんの表現で「髪の毛のようにほぐした状態」を意味する。つまり、ほぐした肉の煮込みで、ベネズエラの伝統的な料理だそうだ。

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