第77回 アルゼンチンの英雄、メッシが愛する料理「ミラネッサ」とは?
小さな頃から料理が好きだった和美さんはいつか自分の店を持つことが夢だったという。アルゼンチンにいた頃も料理の勉強をし、味付けを覚えた。さらに二十歳そこそこで日本に移住してからも様々な飲食店で働いてその腕を磨いたという。
「アルゼンチンは今でもソースから一つひとつ料理をつくる家庭が多い。日本のようにレトルト食品も豊富ではありません。だから子どもたちはみんな料理のお手伝いをします。私が料理を好きなのも母やきょうだいと一緒に台所に立ち、手伝いながら学んだことが根底にあるのかもしれませんね」と和美さん。実現した自分の店では弟さん、妹さんも一緒に働いている。
それにしても。ミラネッサを食べていると無性にほかほかの白いごはんが欲しくなるのですが……。そう和美さんに言うと、彼女は笑いながら答えた。
「普通はフライドポテト、マッシュポテトを添えたり、パンと一緒に食べるんですが、日系人はごはんと味噌汁で食べたりもしていますよ。アルゼンチンではお米はあんまり食べないんですけれどね」
やっぱり。ミラネッサは白いごはんに合う。そして、ついごはんを欲してしまうのは日本人の性なのだろうか。

ARGENTINA GRILL(アルゼンチングリル)
東京都新宿区西新宿7-19-22-105
電話:03-4283-7308
ホームページ:https://www.facebook.com/argentinagrilltokyo/
中川明紀(なかがわ あき)
講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。何事も経験がモットーで暇さえあれば国内外を歩いて回る。思い出の味はスリランカで現地の友人と出かけたピクニックのお弁当とおばあちゃんのお雑煮
「世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅」最新記事
バックナンバー一覧へ- 最終回 神奈川いちょう団地でベトナム料理を食べ歩き
- 第85回 具材は挟んで載せて ベネズエラのアレパ
- 第84回 パキスタンのおふくろの味、アチャリカレー
- 第83回 労働を忘れ心を整えるユダヤ教安息日の食卓
- 第82回 夜通し続くルーマニアの結婚式、招待客の腹を満たす「サルマーレ」を食べてみた
- 第81回 ビールが進む!「種」を使ったソースでつくる、アフリカ・トーゴの国民食とは
- 第80回 キューバの豆料理から見えてきた、社会主義国の食卓事情
- 第79回 サウナ以上に愛すべき存在?!フィンランドの国民食
- 第78回 幸福を招くインドネシアの「黄色いごはん」
- 第77回 アルゼンチンの英雄、メッシが愛する料理「ミラネッサ」とは?