第77回 アルゼンチンの英雄、メッシが愛する料理「ミラネッサ」とは?

チョリパンはサッカー観戦のおともに欠かせないという
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「チミチュリはアルゼンチンのとてもポピュラーなソース。お肉を飽きずにたくさん食べるにはさっぱり系がいいでしょ。だから、アルゼンチンでは甘いソースはあまり使わない。ミラネッサだけではなく、アサードの時も塩をふって焼いた肉にチミチュリをかけて食べるんですよ」

 実は私がミラネッサと同じくらい気になっていたアルゼンチンの国民的料理に、チョリソーをパンで挟んだ「チョリパン」があるのだが、これにもチミチュリをかけるそうだ。

「チミチュリはみじん切りにしたパセリとオレガノ、ニンニクを、酢とお塩、オリーブオイルで和えたもの。ベースは同じだけれど、唐辛子やコショウなどを加えたりとそれぞれ家庭の味があるんです。うちのお店は唐辛子を少し入れていて、辛いのが好きな人にはタバスコで調整してもらっています」

 チミチュリのほかに、サルサクリオージャというやはり酢(またはレモン)とオリーブオイルでトマトやタマネギを和えたソースもよく使われるそうで、和美さんはフレッシュさが大切だからと毎日ソースをつくっている。キッチンカーではこれらのソース目当てに買いに来る客も少なくないという。

「彼女が初めて私に振る舞ってくれたアルゼンチン料理が、このチミチュリのかかったミラネッサでした。食べた瞬間、魂が揺れましたよ。今までにない美味しさだったんです」

 そんな熱い思い出を振り返るのは和美さんのパートナーでカナダ人のジャーマン・アダムさん。ミラネッサは今も和美さんの手料理の中で特に好きな料理の一つだという。なぜ最初にミラネッサをつくったのかと和美さんに聞くと、「やっぱり、アルゼンチンでは誰もが食べたいと思う料理だからです」とのお答え。和美さんは祖国のソウルフードでカナダ人のアダムさんの胃袋を掴んだ。しかも、日本という場所で。なんて素敵な巡りあわせだろうか。

エンパナーダもアルゼンチンの代表的な料理の一つ。左が肉にタマネギ、パプリカ、レーズンなどが入ったスタンダードなもの。添えられたソースがサルサクリオージャだ。右はチーズのエンパナーダ。チーズは店や家庭によってさまざまで、アルゼンチングリルではゴルゴンゾーラを使い、はちみつをかけて食べる
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