「ホモスは昼か夜にみんなで食卓を囲むとき、ファラフェルサンドはランチタイムが多いけど、ファラフェルそのものは朝、昼、夜、いつでも食べます」とカッセムさん
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「一番人気はファラフェルサンドですね」

 ファラフェルといえば、エジプトの料理教室で食べた“そら豆のコロッケ”ではないか(第16回参照)。聞けば、ファラフェルはエジプトやレバノンに限らず、中東諸国で幅広く食べられているという。「レバノンはそら豆も使うけれど、ひよこ豆のほうがポピュラーですよ」とカッセムさん。この店のファラフェルもひよこ豆だというので頼むことに。せっかくだからセットにしよう、とサイドメニューに視線をうつすと見慣れない料理があった。

「ホモス?」

 写真にあるのはクリーム色のペースト(フムスとも呼ばれている)。「レバノンを代表する食べ物だよ」とカッセムさんがいう。それならばと、食べてみることにした。

 たっぷりとオリーブオイルがかかったホモスはまろやかだった。塩分強めでコクもあるが、全体としては甘みがあってやさしい味わい。ホブスとも呼ばれるピタパンにのせて食べることが多いようだ。「これ、何のペーストなんですか?」とうかがう。

「ひよこ豆ですよ。やわらかく煮たひよこ豆を、タヒーニ(ゴマのペースト)、オリーブオイル、塩、レモンなどと一緒にペーストにするんです」。なんと、ホモスもひよこ豆とは……今日はひよこ豆尽くしだ。日本ではあまりなじみがないひよこ豆だが、トルコ南東部が起源とされ、中東では紀元前から栽培し、食されている。

「ホモスはメゼの中で最も親しまれる料理。メゼというのはランチや夕食でメイン料理の前に食べる小皿料理のことです」とカッセムさんが教えてくれた。レバノンをはじめ、トルコやイスラエルなどにもあるスタイルで、前菜と訳されることが多いメゼだが、特徴はピタパンとともに何種類もの小皿料理が出てくること。

オリーブオイルがたっぷりかかったホモス。まろやかな中にレモンのさわやかな風味もしっかり。ホモスとはアラビア語でひよこ豆という意味だそうだ
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