第81回 ビールが進む!「種」を使ったソースでつくる、アフリカ・トーゴの国民食とは
「アフリカの笑顔」と称される国がある。
アフリカ西部のギニア湾に面するトーゴだ。日本の7分の1ほどの国土に約40もの部族が暮らす多民族国家だが、小型武器の拡散や人権侵害を防止するなど平和を促進する政策に力を入れてきた。そして、歌や踊りを愛し、訪問者にも友好的で親しみやすいという国民性。今回訪れた東京・赤坂のトーゴ料理のお店「エコ ロロニョン(EKO lolonyon)」のシェフ、エドモンド・カマロさんも陽気な笑顔で迎え入れてくれた。
エドモンドさんはトーゴ南部、首都ロメから北東約50キロの位置にあるタブリボの出身。自国で料理を学び、コートジボワールやフランスなど各国のレストランでシェフを務めた後に来日して、2011年にエコ ロロニョンをオープンした。在日トーゴ人は71人しかおらず(外務省2019年6月現在)、ここは本格的なトーゴ料理が食べられる日本唯一の店だ。
「トーゴは煮込み系の料理が多いですね。見た目もちょっと華やかで洗練されているとよく言われます」
エドモンドさんが接客をしている間、奥様の由加里さんが話してくれた。トーゴは19世紀にドイツの植民地になった後、フランスの統治を経て独立にいたった。また、ロメの港が内陸国との中継ぎを担う貿易港として発展したため、欧州の文化の影響を大きく受けているのだろう。由加里さんの話にいろいろなソースが出てくるのも多彩なソースが特徴的なフランス料理の影響があるのかな、と思う。
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