「これがボマニャニャです」
しばらくして登場したのは魚介たっぷりの料理。魚の尾びれ側がぴょこんと立っているのが何ともフォトジェニックだ。「グリルした魚とエビ、カニ、青菜をグシデシで煮込んだ料理だよ」とエドモンドさん。海に面するトーゴは魚介もよく食べるらしい。話を聞きながら、さっそくいただく。
とにかく、魚介の旨みが濃厚。グシはピーナッツよりもクセはなく、カボチャの種くらいあっさりしている(すり潰したことはないけれど)。そのグシが海の幸をまろやかに包み込んで味を引き立てているようだ。そして、魚介から出た出汁とグシデシをたっぷり吸った青菜の味わい深さ。くたくたになった葉をムフフと噛みしめる。
グシのほかにも調味料を使うようだが、そこは企業秘密とのこと。牛肉や鶏肉を加えることもあり、家庭によって異なるらしい。味がしっかりしているのでビールも進む。かつてドイツ領だったトーゴはビールの生産が盛んで、エコ ロロニョンでは数種類のトーゴビールを飲むことができる。最もポピュラーだという「PILS」を飲んだが、ピルスナーから名前がきているのか、すっきりと軽く飲みやすい。しかし、ごはんも欲しくなるなあ。
「ボマニャニャならアクメ(アクムェ)が一番だよ。アボロも合うね。トーゴには主食がいろいろあって料理に合わせて食べるんですよ」
エドモンドさんが言う。トーゴに限らず、アフリカにはトウモロコシやイモ類、雑穀、小麦、そして米と主食が多彩な国が多い。自給自足の小規模農家が中心で、一つの作物が不作でも他の作物で補えるように多種多様な作物を栽培してきたという背景があるからだ。ただ、同じ材料、作り方でも地域によって呼び方が違ったりするのでややこしい。ここではトーゴの主食としてエドモンドさんの話に耳を傾ける。