「オリーブオイルにレモンとトマト。この3つがギリシャ料理の味付けの基本だね。魚や肉にはレモンをたっぷりかけて食べるよ」とジョージさんがいう。すると、その横で藤原さんが「ギリシャ人の魚やお肉の食べ方はすごく豪快なんですよ」と笑った。

 たとえば、魚。シーフードレストランに行くとけっこうな大きさのタイが一匹丸ごと焼かれて出てくる。それをオリーブオイルとレモンで食べるのだという。また、郊外には200~300人は収容できる肉料理の専門店があって、そこでは羊も豚も、牛までもが一頭丸ごと焼かれているそうだ。

「私が行ったお店はどの肉も500グラムからしか注文できませんでした」と藤原さんが振り返ると、ジョージさんが言う。「家族や友達と大勢で行ってキロ単位でオーダーするんです。すると、焼けた部位から切り落として皿に盛って出てくるのでレモンをしぼって食べるんですよ」

 何とも豪快なギリシャ人。ただ、丸焼きにして食べる豪快なスタイルはギリシャの国教であるギリシャ正教からくる習慣でもあるようだ。ジョージさんはいう。

「ギリシャではイースターになると田舎に帰って庭で羊を一頭丸焼きにするんです」

 ギリシャ正教ではキリストの復活を祝うイースターが一年で最も大事な祝日だ。その神聖な日に向けて、前夜まで約40日間にわたって肉や乳製品といった動物性たんぱく質を節制する(他の教派でも行われる)。そして、イースターになるとみんなで肉を食べながら祝うのだという。

ムサカも有名なギリシャ料理。ナスやジャガイモなどの野菜にミートソース、ベシャメルソースを重ねてオーブンで焼いた家庭料理だ。ギリシャ料理は、スペイン料理やイタリア料理、モロッコ料理等とともに「地中海の食事」としてユネスコ世界無形文化遺産に登録されている
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