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 新宿から電車に揺られて約1時間、降り立ったのは小田急電鉄の愛甲石田駅(神奈川厚木市)。改札を出てキョロキョロしていると、後ろから「こっち、こっち」と呼ぶ声。振り向くと小柄な女性が手を振っていた。NPO法人在日カンボジアコミュニティの伊藤裕子さんだ。

 伊藤さんとは以前、ラオスの正月「ピーマイラオ」のお祭りに参加した時に知り合った(第23回参照)。かつて神奈川県大和市にあったインドシナ難民(ベトナム、ラオス、カンボジア)を支援する施設・大和定住促進センター(以下、大和センター)で働いていた伊藤さんは、現在も在日のラオス人やカンボジア人の支援を行っている。この日は、伊藤さんの案内で在日カンボジア人の萩原カンナさんのお宅に伺うことになっていた。

 きっかけは、4月25・26日に東京・渋谷区の代々木公園で開催される「カンボジアフェスティバル」だ。代々木公園では年間を通してさまざまな国のフェスが行われるが、カンボジアが独立して国名を冠したフェスを行うのは初めて(タイの「ソンクランフェスティバル」と同時開催)。そこで、主催の在日カンボジアコミュニティに問い合わせたところ、伊藤さんに再会したのだ。

 フェスではどんなカンボジア料理が食べられるのか、伊藤さんに尋ねた。すると、「それなら、味見に来ますか。フェスの打ち合わせで料理を試食するんです」とのお答え。フェスの前に食べられるなんて!なんとも素敵な提案に二つ返事で伺うことになったのである。

 駅で待ち合わせた伊藤さんと私を、カンナさんが迎えに来てくれた。カンナさんは35年前に難民として大和センターに入所し、いまは通訳などの仕事をしている。「カンボジアの子どもたちが大好きな料理をつくります」とカンナさん。子どもに負けず劣らずワクワクである。

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