第50回 味の七変化を楽しむ チリの庶民料理
きっかけは1月末に発表された財務省の貿易統計。日本における昨年のボトルワインの輸入量(スパークリングワインを除く)で、南米のチリ共和国が長年トップだったフランスを抜いて1位になったという。
チリワインの魅力を一言で言うと「安くて美味しい」。もともとの物価に加えて、2007年に結ばれた日本・チリ経済連携協定によって段階的な関税の撤廃が決まったことが理由にあるらしい。そのうえ、ワインの産地であるチリ中部はブドウ栽培に適した地中海性気候。良質なブドウが栽培され、ワインのほかにブドウの蒸留酒「ピスコ」もつくられている。
確かにチリワインは酒屋でも飲食店でもよく見かけるようになった。だけど、チリ料理はどうだろうか。考えてみたがこれというものが浮かんでこない。そこで、日本に数軒しかないチリ料理のお店のひとつ、東京・中野の「ラ・カーサ・デ・エドゥアルド」を訪ねることにした。
東京メトロの新中野駅を出てすぐ、店頭にはドンとモアイ像が置かれていた。「そうか、イースター島はチリ領だったな」とつぶやきながらドアを開けると、壁にかかっているのは南米の民族衣装であるポンチョとソンブレロ(つばが広い帽子)。ラテン的な店内の雰囲気に気持ちも高ぶってくる。
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