「それから私はシロップを使ったお菓子もよくつくります。今日もメープルシロップスクウェアをつくってきたのでぜひ食べてみてください」

 そうジュリーさんは言って、テーブルの上に25センチ四方の皿を置いた。メープルシロップスクウェアはクッキー生地にメープルシロップ、ブラウンシュガー、卵、ナッツなどを混ぜたものを流し込んでオーブンで焼いたお菓子。ジュリーさんが家族のためによくつくるという逸品の登場にうれしくなって覗き込むと、メープルの独特な甘い香りにふわっと包まれた。

ジュリーさんお手製のメープルシロップスクウェア。生地は小麦粉1と1/2、ブラウンシュガー1/4、バター1/2を混ぜて20センチ四方の型に流し、175度のオーブンで10~15分。一方の具はメープルシロップ1と1/2とブラウンシュガー1/2を鍋で沸騰させ、卵3つと混ぜる。さらにバニラエッセンス少々と砕いたピーカンナッツ1/2を加え、生地の上に流して175度のオーブンで20~25分焼けば完成。※分量の単位はカップ。
[画像をタップでギャラリー表示]

 さっそく一ついただく。見た目はフランス菓子のフロランタンにも似ているが、口当たりはもっとさくっとしていてやわらかい。シロップがぎゅっと濃縮されたような贅沢な味わいながらナチュラルな甘みでくどさはなく、もう一つとついつい手が伸びてしまう。

 このメープルシロップスクウェアには計量カップ1カップ半(カナダの1カップは250ミリリットル)のメープルシロップが使われているとジュリーさん。「料理だとカボチャのポタージュに入れたりしますし、クリスマスにはメープルシロップを使ったトマトペーストで豆を煮ます。この豆料理は父の大好物なんです」という。そう聞くとストックを心配するご主人にも納得。

 さらにはシロップを固体になるまで煮詰めたメープルシュガー、クリーム状にしたメープルバターと呼ばれている商品などもあって、シュガーはベリー類に、バターはパンにと使い分けているというからもうすごい。「日本人にとっての醤油と同じように生活に欠かせないものなんですね」。私がそういうとジュリーさんは「そうそう」と頷きながらも、こう答えた。

「それだけじゃありません。カナダ人にとってメープルシロップは春を感じるものでもあるんです」

メープルシロップをさらに加工したシュガーやバター、キャンディーなどの商品
[画像をタップでギャラリー表示]

この連載の前回の
記事を見る

この連載の次の
記事を見る