5人家族のジュリーさんはメープルシロップ500ミリリットル缶を月に2缶くらい使うという
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 やってきたのは東京・赤坂にある在日カナダ大使館。館内にはギャラリーやシアター、カナダ関連の蔵書を有する図書館があり、運転免許証等の公の機関が発行した身分証明書を提示すれば誰でも入館できる。映画の上映会などさまざまなイベントも催される開かれた大使館だ。

「カナダは世界のメープルシロップの約8割を生産しています」

 席に着くとジュリーさんは言った。カナダ東部のケベック州、オンタリオ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州の4州で生産されていて、中でもジュリーさんの故郷であるケベック州がカナダ全体の9割を占めるという。カエデなら日本にもたくさん生えているのに、なぜカナダの生産量が圧倒的に多いのだろう……と思ったら、カエデの中でも主に北米に分布するサトウカエデがメープルシロップをつくるのに適しているからのようだ。ほかのカエデよりも樹液に多くの糖分を含むから「サトウカエデ(英名:sugar maple)」の名がついている。

「サトウカエデの樹液『メープルウォーター』を煮詰めてシロップにします。ほかにはなにも入れない自然食品です」とジュリーさん。樹液は透明でさらさらとしていて、煮詰めると茶色く変わっていく。1リットルのシロップをつくるのになんと40リットルもの樹液が必要だという。

「我が家では週に3回はブレックファーストに登場します。パンケーキやワッフルにかけて食べるんです。カナダではスーパーでワッフルが買えるので、ブレックファーストの定番ですね。だいたい500ミリリットルの缶を5~6個常備しているんですが、主人は缶が減っていると心配になるようで、『補充したほうがいいんじゃない?』とよく言われますよ(笑)」

「そんなにすぐになくなるの?」と思うが、ベーコンやソーセージにかけたりもするという。なんだかすごく甘そうだけれど旨みを引き立てるらしい。なかにはスクランブルエッグにかける人もいるとかで、「目玉焼きに何をかけるか論争」にカナダ人が参戦したらメープルシロップが加わるのかもしれない。ちなみに私はソース派です。

紅茶やコーヒー、ウィスキーなどの酒にも入れるというメープルシロップ。樹液の採取時期によって仕上がりの色や味が異なり、大きく4種類に分けられている
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