近年、日本列島で巻き起こっているサウナブーム。私も先日、近所のスパのサウナで汗をかいてきたところだが、一説によるとサウナなど蒸し風呂の類は少なくとも2000年前にはあったという。そして「サウナ」はフィンランドで生まれた言葉だ。この北欧の国では生後数カ月でサウナに入り始めるほど身近なものだという。

「フィンランドには約550万の人口に対して約300万のサウナがあるんですよ」

コッコさんは首都ヘルシンキの出身。「ぜひ本場のライ麦パンやサウナを体験しにフィンランドにきてください」
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 フィンランド大使館の報道・文化担当参事官、マルクス・コッコさんが笑顔でいう。フィンランド人にとってサウナは心身を落ち着かせる場、交流の場として欠かせないもので一人暮らし用のワンルームマンションにも共有サウナなどがあるそうだ。そして、この大使館内にも完備されている。

 私がなぜフィンランド大使館でサウナの話をしているのかというと、もちろんソウルフードを求めて訪れたのだが、サウナもまたフィンランド人のソウルに根付くものとして伺っていたのだった。ただ、サウナはフィンランド語であるその名が世界共通語になったほど世界中に普及しているが、国民食は国外では手に入りにくいものらしい。それはいったい何なのか。

「ライ麦パンです」

 フィンランドの主食の一つであり、どこのスーパーマーケットでも簡単に手に入って毎日、毎食のように食べる国を代表する食べものだとコッコさんはいう。実際、 2017年にはロシアから独立して100周年を迎えたのだが、これを記念して行われた国民食を問う国民アンケートで、ライ麦パンは圧倒的な1位を獲得している。きっと日本のお米のようなものなのだろう。

 とはいえ、コッコさんの発した言葉に私は少々疑問を感じた。ライ麦パンなら日本のパン屋にも売っているではないか。しかし、私がそう言うとコッコさんは首を振った。フィンランド語で「ルイスレイパ」というライ麦パンは、日本はもちろんのこと近年日本で人気のドイツのライ麦パンとも異なるという。

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