【番外編】世界一硬いおやつ? ブータンの“チーズキャラメル”

「昔は市場の穀物売り場などに、カーテンのようにチュゴがぶら下がっていたんですよ」

 帰国してから日本ブータン友好協会の事務局長、渡辺千衣子さんに、今はチュゴを食べる人がすごく減っているという話を聞いた。ロードサイドの露店などでも売っていたため現在もかなりポピュラーなおやつというイメージだったが、私が見た市場ではところどころで見かける程度。白いチュゴのカーテンなんて、それは壮観だっただろう。

 チュゴには燻製バージョンもあるといい、こちらはほんのり色が付いている。「ヤク飼いの人は高地のテントに泊まりがけで仕事をします。寒いから常に火を焚いていて、その中で干したチーズは燻されて燻製チュゴになるんです」。燻製チュゴを1時間も舐めていたら、お酒が欲しくなるに違いない。

 「チュゴはお汁粉にもするんです」

 こう聞き、ゴクンと喉が鳴った。あんなに硬いチーズの塊も、水に浸けておくとナイフで切れるぐらいには軟らかくなるという。それを薄くスライスしたり小さく切ったりして、ほのかに甘い煮小豆とミルクを合わせた汁に入れて食べるのだ。甘みとして利用するのは植物の根。ただ、今では手に入らなくなり、渡辺さんが以前これを作ったときは砂糖を使ったという。「普通のカッテージチーズだと汁に溶け出してしまうけど、チュゴは溶けないでしょ。チュゴじゃないとあの味わいは出せないんです」

世界一硬い?干しチーズのチュゴ。伝統的にはヤクの乳から作るが「最近は牛乳から作るものもあるかも」と渡辺さん
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