第109回 コンゴウインコのカップルはいつも仲良し
ここモンテベルデは、11月下旬から乾季に突入した。とは言っても、晴れているにもかかわらず、風に流されてきた霧雨が舞うような、モンテベルデ特有の日々である。そんな季節の到来とともに、目にする昆虫たちの数がグッと増えた。
一方、ぼくはというと、12月初めから、のどがイガイガ、目がショボショボ、鼻水タラ~・・・クシャミ連発で、体が逆噴射状態のつらい毎日が1週間ほど続いていた。花粉症かもしれない。
さて、今回ご紹介するのは大型の鳥、コンゴウインコ(別名アカコンゴウインコ)。クリスマスの色をちょっと意識してみました(笑)。最後のページに紹介する昆虫も、ぼくなりにクリスマスをイメージしています。どうぞご覧ください!
コンゴウインコ属(Ara属)は、熱帯アメリカの低地特有の鳥で、かつては14種の記録があったが、現在はその約半数がすでに絶滅している。主な要因は、乱獲と環境破壊だ。コスタリカに生息しているのは2種、コンゴウインコ(Ara macao)とヒワコンゴウインコ(Ara ambiguous)で、ともに保護活動がなされている。
コスタリカのコンゴウインコの主要生息地は、太平洋側の海沿いのカララ国立公園とオサ半島のたった2カ所しかない。11月初旬、そのうちのひとつのオサ半島を訪れた。モンテベルデからずっと南の低地、オスカー率いるナナフシ調査チーム(第107回)と一緒に。
調査拠点となる宿泊場所に着くと、建物の横に生えているモモタマナ(トロピカルアーモンド)の木からさっそく「オウムっぽい」声が聞こえてきた(最後に紹介する動画で声が聞けます)。
上の写真にコンゴウインコがいるのだが、わかるだろうか。コンゴウインコは鮮やかかつ、赤黄青という自然界ではあまり目にしない風変わりな配色をしているのに、緑の中では不思議と目立たない。モモタマナの葉の彩りに似ているからだろう。赤は紅葉する葉で、黄色は日差しを通す葉、青は暗い影の色と言ったところだ。
翌日、周辺の森の環境を確認するため、オスカーが運転する車で海沿いの道を行くと、またもコンゴウインコに出会った。
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