オオムラサキホコリ(アメーボゾア:変形菌/真正粘菌)
Fruiting bodies of a slime mold, Stemonitis splendens
きめ細かなスポンジのような子実体。胞子が抜けた後なので胞子嚢の表面網が透けて見える。
大きさ:約10 mm 撮影地:和歌山県田辺市
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 前回の変形菌(粘菌)の回がかなり好評だったようなので、今回も和歌山県での日本変形菌研究会の合宿で撮影した変形菌の写真をご覧いただきたい。最終ページでは、コスタリカで撮影した変形菌も、どん!と紹介します。

 ぼくが変形菌に惹かれる理由は、その風変わりな生態に加え、その小ささと芸術性あふれる姿かたちにある。小さくてほとんど目に映らない「地味」な世界の中でも、変形菌には、ハッとさせられる「美」が凝縮されている。だからぼくは、どうしても写真を撮りたくなってしまうのである。

オオムラサキホコリ(上の写真)の胞子嚢の表面網の接写。
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 和歌山の合宿では、そうそう出会えないアオウツボホコリを含め、全部で45種ほどの変形菌が見つかった。これら変形菌の子実体の周りには、トビムシやアリ、キノコバエ、キノコムシなど、これまた小さくて「地味」な生きものたちがやってくる。子実体の合間をコソコソ行き来していたり、モゾモゾと子実体そのものを動かしていたりと、こちらもぼくの写真ゴコロをくすぐる。

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アオウツボホコリArcyria glauca。南方熊楠が発見した新種で、今回の合宿の「目玉」となった。
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アオウツボホコリ
Fruiting bodies of a slime mold, Arcyria glauca
青みを帯びて見えるのは胞子の色から。青い変形菌は珍しいそうだ。胞子嚢がスポンジ状に伸び開き、胞子を飛ばす。形はヘビ花火のモコモコを思い出させる。
大きさ:数ミリ 撮影地:和歌山県田辺市
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ミドリウツボホコリ
Fruiting bodies of a slime mold, Arcyria virescens 胞子嚢がモジャモジャ。胞子が少し残っているところは、ほんのり緑色をしている。
大きさ:約10 mm 撮影地:和歌山県田辺市
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オオムラサキホコリの若い子実体
Young fruiting bodies of a slime mold, Stemonitis splendens
朽木の中から幹の表面に湧き出すように出てきた。このページの最初に紹介したものと同じ種。
撮影地:和歌山県田辺市
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サビムラサキホコリ
Fruiting bodies of a slime mold, Stemonitis axifera
胞子嚢には、まだ胞子が詰まっていて、鉄の錆びのような色と質感をしている。
大きさ:約10 mm 撮影地:和歌山県田辺市
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