第128回 少年少女よ、森へ行こう、感覚を研ぎ澄まそう!

昆虫探検のイベントの記念撮影。群馬県立ぐんま昆虫の森で。
commemorative photo of insect exploratory event
撮影地:群馬県桐生市
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 この夏は日本に一時帰国していた。さまざまなイベントや出会いがあったが、なかでも特に印象的だったのが群馬県桐生市で行われた昆虫探検イベント(一般社団法人Jewel Beatles主催)。今回はその様子を、ぼくからのメッセージを少し織り交ぜて紹介しよう。

 イベントは8月20日、隣接する2施設「群馬県立ぐんま昆虫の森」と「NPO法人新里昆虫研究会の新里自然体験村」で、朝から晩まで1日を通して行われた。

新里自然体験村の入り口にあった、メッセージ。ぼくの考えと重なる部分が多い。
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 参加者は小学1~5年生の子どもばかり15人。親御さんの参加はお断りした。理由は、主に3つ。(1)親のいない場と時間を提供し、子どもたちにのびのびと感覚をフル回転してもらうこと、(2)スタッフはあまり口や手をださないようにして、子どもたちの集中力と考えるチカラを引き出すこと、(3)スタッフら大人が、逆に子どもたちから学ぶことがあることだ。

 今回のイベントには、日本の昆虫にはそれほど詳しくないぼくには心強い、強力な助っ人の先生がた3人が協力してくださった。カミキリムシが専門の加藤敦史さんとアザミウマが専門の野中俊文さん、カメムシが専門の宇田川晃弘さんだ。3人とも昆虫全般に詳しい。

 さて、午前の部は野外で昆虫採集! 15人の子どもたちはほとんどが関東圏からの参加だが、はるばる大阪から来てくれた小4の男の子もいて、ビックリ! ウレシくなる。

出来上がったセミ捕り網を掲げ、昆虫採集前に注意事項の説明を聞いている子どもたち。森や野原へ向かう前のワクワク感がたかぶる。撮影:Toshiyuki Shuutou
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 小雨が降ったり止んだりする中、まずはセミ捕り網を作製する。この連載の第30回「必殺、セミ捕り網!」で紹介したオクラのネットを使ったセミ専用の網だ。自分で使う用具は自分で作ってみるという大切な体験。

 準備が整うと、3人ずつの班に分かれて、それぞれ森の中や野原へ向かった。ぼくは森の中へ・・・。最初に出会ったのが、木の幹でクモに捕らえられたウスバカゲロウ(下の写真)。クモの大きさの割に獲物が大きく、オモシロさと不思議さがあったので、写真を撮ってみた。

著者が森の中で最初に出会った昆虫。ワカバグモに捕らえられたウスバカゲロウ(アリジゴクの成虫)。体長は約40 mmで、細かい網目が入った透明の翅は角度によって虹色に輝く。
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 写真を撮り終わるや否や「あれは何ですか?これは何ですか?」と子どもたちの質問の声が降ってきた。雨が降っていてもみんなへっちゃらだ。ぼくは彼らの質問に答え、セミ捕り網の使い方を伝授し、トンボを追いかけたり水生昆虫をすくう子どもたちを見守ったりした。

 森へ行った子どもたちは、アブラゼミやオニヤンマ、樹液に集まるコクワガタやカナブンにヒカゲチョウのなかま、野原ではトンボにバッタにカマキリ、シロチョウにミツバチやスズメバチのなかまを採集。水辺の子どもたちは泥んこになりながら、ゲンゴロウの仲間やアメンボ、ザリガニ、カエルにおたまじゃくしなど、数えきれないほど多種多様な生きものを採集していた。

 あっという間に、午前の探検の時間は過ぎた。

 お昼を食べると、午後は隣にある「ぐんま昆虫の森」で室内でのイベントの予定だ。実験室での昆虫観察や標本作り・・・そして、昆虫料理にも挑戦する。

次のページは <午後の部:室内で昆虫観察や昆虫料理> です。

冒頭の写真に写っているのは左手前から、立ってピースのあきちゃん、さくらちゃん、あやかちゃん、みきやくん、ひかりちゃん、なおたろうくん、ゆらいくん、しょうたくん、ゆうとくん、2列目左から、メガネのひじりくん、あいきくん、そういちろうくん、ゆいちゃん、あいりちゃん、りこちゃん、3列目、西田賢司、野中俊文さん、加藤敦史さん。

イベント当日の朝、新里自然体験村の入り口付近で迎えてくれたショウリョウバッタ。
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同じく見つかったジャコウアゲハのサナギ。
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新里自然体験村での昆虫探検の様子。田んぼのような場所で。
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あやかちゃんが網で何かをすくった。野中さんにハイイロゲンゴロウだと教えてもらい容器に入れようとしているところ。男の子たち(ゆらいくんとゆうとくん)がうらやましそうに見にきた。撮影:Yumiko Nagano
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