第126回 ワニおじさんの衝撃パフォーマンス

今週のピソちゃん

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 この8月下旬、コスタリカでテレビ番組の取材があったので同行した。

 モンテベルデには、吊り橋を歩いて森を上から眺めたり、ワイヤーロープにぶら下がって森から森をターザンのように滑車で渡ったりできる自然観光施設がいくつかある。

 そんな観光施設を撮影班と一緒に訪れたときのこと。到着するやいなや、1頭のオスのピソちゃんが、駐車場に現れた。誰かの到着を待っていたかのように・・・

 いつもバイオロジカルステーションで見るピソちゃんと様子が違う。何かヘンだ、おかしいと思い、カメラを構えて撮影し始めた。

 カメラをウエストポーチから取り出すとき、一緒に入れていた白い紙(カメラのフラッシュの光を和らげ拡散させる道具)を地面に落としていたらしく、撮影スタッフのアシスタント(ぼくの弟子でもある)の小林ソリス健が拾ってくれた。

 すると、すぐさまピソちゃんが駆け寄って来て、彼の目の前に立ちはだかった。彼がオモシロ半分に白い紙を差し出すと、ピソちゃんは口と両前脚で紙をとらえて持って行こうとした。

 最初に感じた違和感はこれか。妙に人に慣れていると思った。
 普段から観光客が餌を与えているに違いない! 困ったものだ!

 野生動物に餌やりをすることで、野生動物たちの本能(生きるチカラ)を狂わせることがよくあって、逆に無責任な餌やりが最終的に野生動物に死をもたらす傾向が生まれてしまう。

 一方で、ピソちゃんに餌を差し出したがために、鋭い爪で手首をかき切られて、大量出血のため命を失った人もいるそうだ。

 野生動物たちとの向き合い方をもっとよく考える必要がありそうだ。

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西田賢司

西田賢司(にしだ けんじ)

1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学で蝶や蛾の生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html