第157回 キラキラ宝石 コスタリカのハムシ8種

カリグラファ属の1種(ハムシ科:ハムシ亜科)
Broad-bodied leaf beetle, Calligrapha cf. fulvipes
ハムシ科の中でも前翅の模様がミステリアスなのがカリグラファ属の特徴。場所が変わると、大きさや色、模様が少し違っていたり、食べている植物がまったく違っていたりと、同じ種なのかどうかがわかりにくい。この種はアオイ科のキンコジカ(Sida)属の植物の葉を食べる。
体長:7 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ 同定はスミソニアン自然史博物館のDave Furth博士に依頼しました。

 ハムシ(葉虫)と呼ばれる甲虫の仲間がいる。

 平均的な大きさは数ミリから10ミリ前後で「テントウムシっぽい」と言うとイメージしやすいかもしれない。でもハムシ科には「テントウムシっぽい」ではとても片づけることのできないほど、多種多様な形や色をもつものがいる。

 コスタリカにもたくさん生息していて、実際に何種いるのかは専門家に尋ねてもわからない。それだけ多種多様で研究が進んでいないわけだ。ぼくの予想では5000種ぐらいはいると思う。名前が付いていないものもまだまだいる。

 今回は、ぼくがコスタリカで出会ってきた様々なハムシのなかから8種を、写真とともに紹介しよう。

 と、その前にこの写真。

コナガ(Plutella xylostella)の幼虫。小菜蛾と書く。コスタリカではスーパーの白菜やブロッコリーなどによくついている。たいてい緑から黄緑色をしているが、カリフラワーを食べている個体はなぜか透明感のある水色をしている。体長は8 mmほど。
[画像のクリックで拡大表示]

 カリフラワーを食べていた蛾の幼虫が、涼しげな水色をしていた。7月の21日から29日までナショナル・モス・ウィーク(=蛾を愛でる週)だったので、小さな蛾を専門とするぼくから、暑い日本のみなさまへ遅ればせながらのおすそ分けです(笑)。

 さあ、ハムシ、いってみよう!

ツツハムシ

ツツハムシの1種(ハムシ科:ツツハムシ亜科:コブハムシ族)
Cryptocephaline leaf beetle, cf. Melittochlamys sp.
右の写真は死んだ振りをしているところ。脚と触角をうまく畳み込んでいる。
体長:4 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ 同定はShawn Clark博士。

 瑠璃(るり)色の体に、オレンジの脚。よく見ると触角と「顔」もオレンジ色だ。ツツハムシの1種で、年に1~2回、庭のコナラの葉の表面をかじっているところを見かける。危険を察知すると、葉からポロっと落ちて死んだ振りをする。成虫は、たまに見かけるが、幼虫はいったいどこにいるのだろう?

サルハムシ

コラスポイデス・ユニカラー(ハムシ科:サルハムシ亜科)
Eumolpine leaf beetle, Colaspoides unicolor
瑠璃(るり)色のツヤツヤがまばゆい。裏側もメタリックだ。
体長:7 mm 撮影地:ティエラス・モレナス、コスタリカ

 サルハムシの1種、コラスポイデス・ユニカラー。この連載の第110回第140回でも紹介したコラスポイデス・ベイツィの近縁種だ。食草はベイツィと同じなので、見つけたときは、色違いなだけで同じ種だと思っていた。しかし専門家のWills Flowers博士に尋ねてみると、これらは別種とのこと。同じ植物を食べていても、所変われば種が違うのである。ちなみに、ベィツィが生息するモンテベルデとユニカラーを見つけた場所は、直線距離で40 kmも離れていない。

クビボソハムシ

メトポケリス・‘ジェマンス’(ハムシ科:クビボソハムシ亜科)
Shining leaf beetle, Metopoceris ‘gemmans’
雨の中、食草の上で交尾中。後ろに乗っかっているのがオス。
体長:12 mm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ

 クビボソハムシの1種、メトポケリス・‘ジェマンス’。ジェマンスにカッコを付けたのは、本当にジェマンスと言っていいのかどうか怪しいからだ・・・。実は、ぼくはここモンテベルデで、もう1種類よく似たメトポケリス属のハムシを見つけている。成虫の外見は似ているのだが、幼虫の色や食草が全く違っている。明らかに別種だ。専門家は、成虫を見てどちらもジェマンスだと言うが、どうやら数種がひとくくりに1種にまとめられているのではないかとぼくは考えている。謎が解明できたら、また紹介したい。

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