サンショクキムネオオハシ(鳥綱:キツツキ目:オオハシ科)
Keel-billed Toucan, Ramphastos sulfuratus
谷沿いの開けたところの高い木にとまって鳴いているところ。
体長:約45 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ
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 6月以降、たびたび森から「異様な」鳴き声が聞こえてくるようになった。朝の8時、今も家の中まで響いている。

 鳴き声の正体は、サンショクキムネオオハシ。中南米にすむくちばしの大きな鳥、オオハシ(Ramphastos属)の1種で、大きさは約45センチ、体重は400~500グラム。くちばしが船底(keel)のようなかたちをしているので、英語でKeel-billed Toucanと呼ばれる。そのレインボーな色合いは鮮やか!としか言いようがない。ふだんは鳥を見かけてもあまり興味を示さないぼくが、ついついカメラを向けてしまう鳥だ。

くちばしの色が浮き上がるように、周辺の景色を黒く塗りつぶしてみた。くちばしの長さは約15 cm
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上の写真を見て「3色の絵の具がくちばしの先端で交じり合うようなデザインですね!」と感想をもったイラストレーターの友人が、絵の具で実演してくれた。使った3色の絵の具は上から、フレッシュグリーン、ターコイズブルー、そしてカーマイン(カルミン)。なんと!くちばしの先にあるマルーン色になっているではありませんか!(Photographs by Haruko Ojima)

 この鳥はたいてい数羽から10羽ほどの群れで移動する。今回観察しているサンショクキムネオオハシは2羽で移動しているようだが、寄り添っているというより、いつも数メートルから数十メートルの距離を保っている。つがいなんだろうか?

 鳴いている場所は、たいてい高い木の上。朝でも昼でも夕方でも、晴れても曇っていても、雷が鳴っていても、とにかくよく鳴いている。

【動画】鳴いているサンショクキムネオオハシ
鳴きながら体をあちこちに動かすので落ち着きがないように見える。少し離れた場所でもう1羽が鳴いている。体長:約45 cm 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ

 鳴いている間、サンショクキムネオオハシは落ち着きがない。首を上げたり下げたり、ひねったり、ピョンピョンとジャンプして隣の枝に飛び移ったり。もしかすると、大きくてカラフルなくちばしを、鳴き声と動きによって目立たせることで、何かをアピールしているのだろうか? たまに鳴き止んだかと思うと、大きなくちばしを使って羽づくろいをちゃちゃっとして、また鳴き出す。1羽だけが鳴いていたり、2羽同時に鳴いていることもある。

 しかし、気になるのはこの鳥の鳴き声。ぼくには警告音のように聞こえてならない。なぜなら、その声が轟いている間、ほかの鳥たちが警戒して鳴き止むのか、森が「シーン」とする傾向があるのだ。しかも、同じ場所で1時間以上も鳴き続ける。そんな森の様子にぼくは違和感を感じるので、冒頭で「異様な鳴き声」と表現した。

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