ハナジロハナグマ(哺乳綱:ネコ目:アライグマ科:ハナグマ属)
A herd of white-nosed coati, Nasua narica
体長: 約50 cm 体重: 3~7 kg 撮影地:モンテベルデ、コスタリカ
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 この連載で「今週のピソちゃん」を紹介するようになってちょうど2年(第67回、2014年1月28日から長い間お付き合いありがとうございます!)。今回はピソちゃんの謎の行動を紹介しよう。

 ピソちゃんというのは、ぼくがハナジロハナグマに付けた愛称で、コスタリカでこの動物をピソテと呼ぶことから来ている。昨年の後半にしばらく見かけない時期があって心配したのだが、1カ月ほど前から家の周りに頻繁にやってくるようになった。

 オスがウロウロしているところや、 オス同士が追いかけ合いをしているところなどは、毎日のように目にするし、キュルキュルキュルル~という鳴き声も家の周りからよく聞こえてくる。

 50頭以上のメスと子どもの大きな群れにもよく出会うようになった。上の写真を見てほしい。こんなにたくさんでやってきて、立てた尻尾をゆらゆらさせながら食事をするのである(下に動画もあります)。雑食性のピソちゃんたちの主食は昆虫。落ち葉の中など、地面周辺にすんでいる昆虫や他の節足動物を、鋭い嗅覚を頼りに探しだして食べる。

【動画】ハナジロハナグマの群れの食事
森の横の開けた場所で食事中のハナジロハナグマのメスと子どもの群れ。50メートルほど離れたバイオロジカルステーション本棟の1階陰からカメラの望遠を使って撮影した。動画の最後に、ステーションの2階を掃除している音に驚き、森の中へと駆けていく。

 メスと子どもたちの群れは、単独で行動するオスよりも警戒心が強く、近くに寄って撮影するのは容易ではない。気づかれるとスグに森の茂みの中に消えていく。

 ピソちゃんたちがこれほど出没するようになったのは、活動が活発な時期であること以外にも理由がありそうだ。じつは今コスタリカは観光シーズンで、周辺の観光ホテルや自然保護区には、観光客がわんさかと訪れている。もしかするとピソちゃんたちは、周辺の森から観光客が来ない静かなこのバイオロジカルステーションの森へとやって来ているのかもしれない。

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オスのピソちゃんが落ち葉の中にいる獲物を鼻先で探しているところ。 乾季に入り、落ち葉が積もり始める時期だ。
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庭を駆けるオスのピソちゃん。何をそんなにウレシそうに駆けている?
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興味津々、独り立ちしたばかりのオス。家の前に植えてある ヤマゴボウの一種(新属新種のガの飼育用の餌にする予定)に付けてある蛍光オレンジのテープを「なんなんだろう?」と鼻で確認していた。
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