第110回 祝!申年!コスタリカからクモザル登場

ジェフロイクモザル(哺乳綱:霊長目:クモザル科)
Geoffroy's spider monkey, Ateles geoffroyi
体長:約50 cm 体重:6~9 kg 撮影地:プエルト・ヒメネス周辺、コスタリカ
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 新年明けましておめでとうございます。2015年もたいへんお世話になりました。本年も引き続きどうぞよろしくお願いします!

 どうも森の中に住んでいると、クリスマスやお正月などといった季節の行事をあまり意識しなくなったと感じる。でも今回は2016年の干支「申(サル)」にちなんでいくつかの生きものを紹介しよう(哺乳類のサルばかりではありません)。

クモザルは大きな原生林が残る場所とその周辺から離れては生きていけない。撮影地:プエルト・ヒメネス周辺、コスタリカ
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 とは言え、まずはクモザル!

 コスタリカには全部で4種のサルが生息している。マントホエザル(第81回で紹介)ノドジロオマキザル(第75回)、ジェフロイクモザル、そしてセアカリスザルだ。なかでも一番大きく動きが軽快なのがジェフロイクモザル(別名はアカクモザルまたはチュウベイクモザル)。

 このクモザルは中央アメリカ一帯に生息していて、コスタリカの広範囲、海沿いの低地から標高2800mまで分布している。数頭の小さな群れから40頭ほどの大きな群れで昼間に活動するが、絶滅危惧種に指定されていて、簡単には出会えない。

名前のゆえんは、クモの脚のような長い手足としっぽ、そして茶色い色にあるのだろう。英名もスパイダーモンキー(spider monkey)だ。体長は50cmほどだが、しっぽは70~80cmもあって手足よりも長い。ジャングルの中で手足としっぽを伸ばしていると、巨大なクモに見える。

「巨大なクモ」がジャングルの中を移動する。
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 そのクモが、枝から枝へと雲梯(うんてい)をするかのごとく宙を駆けて行く。その姿はいつ見ても印象的でワクワクさせてくれる。

 手には親指がなく、指は4本。長い4本の指を曲げてフック状(かぎ形)にすることで、こんなふうに軽快な移動ができるのだそうだ。

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クモザルのメス
A female Geoffroy's spider monkey
ちぎり取ってきたセクロピアの葉を、近くの木の枝に座って食べているところ。食事中も枝をしっぽでつかみ、安全対策は欠かせない。ちなみにしっぽの下、ペニスのように見えるのはメスのクリトリス。
撮影地:プエルト・ヒメネス周辺、コスタリカ
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しっぽの先を枝にグルっと1回転させている。手のひらと同じように毛が生えておらず、グリップを利かせて枝を握ることができ「3本目の手」とも言える。しっぽだけでぶら下がり食事をしていることもよくある。
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ぶら下がっているしっぽの位置を細い枝先の方にずらすことで、枝をしならせて、巧みに軽やかに落下移動するところ(5コマ)。
クモザルの親子
Geoffroy's spider monkeys
モンテベルデの家の前の木々を移動するクモザルの親子。熱帯雲霧林の絵本に使いたい1枚。
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