第2回 僕は冒険家で父親で主夫である

高さ600メートルほどの岩壁を見つけて登りはじめたのですが、途中で大雪になって72時間も雪に閉じ込められたり、寝ている間にテントが雪崩で埋まったりと、危ない目にも遭いました。しかし、頂上に立ったときの達成感は大きくて、僕はこのために生きているんだと思いました。

――それから毎年、遠征を繰り返してきたのですね。

マイク 実は、グリーンランドから戻ってからほどなくして、リリアナが生まれたんですよ。でも、僕は冒険の旅を続けました。翌年には南極に行き、キルギス、中国、パプアニューギニア、ベネズエラと。

僕がリリアナの父親であることと、遠征先で命を危険にさらすことの間には、当然矛盾が生じます。妻のナタリーも、僕が遠征するたびに強い不安を感じていたようです。できるだけ家族と一緒にいてあげるのが、父親として本来の姿なのでしょう。遠征のときは二人を置き去りにするようなものですからね。

しかし、遠征と冒険は、僕の人生の中心。僕のライフスタイルです。その情熱を抑えられないし、抑えなきゃならない理由はないと思うんです。

ナタリーとはその後、離婚したのですが、良き友人としての関係が続いていて、遠征中はリリアナの面倒をみてもらっています。僕がこうして冒険の旅を続けていられるのは、彼女のサポートがあるからで、とても感謝しています。

グリーンランドの氷山を登っているマイク photo by Keith Ladzinski
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