第6回 野生のアマゾンマナティーにロガーを付ける日

「やっぱり、好きだなと思います。私が大学院の学生の頃は、マナティーのことが好きだからマナティーの研究してるって、言えない環境だったんですよ。そんなの研究じゃない、趣味だとお説教される。でも、今そう言われたら、どうして? って思います。科研費や助成金を獲得して研究を実施して、それでマナティーの研究でお給料をもらって、成果を出して論文を書いて。これが何で趣味なんですかって。だから、今は、胸を張って言いますよ。マナティーを好きで研究をやってます。こんなに魅力的な動物は私にとって他にいないです。特にアマゾンマナティーは、マナティー科の中でも一番興味深いです。アマゾン川での未知の生態。面白そうじゃ無いですか。淡水適応種だからか、アマゾンマナティーは皮膚もすべすべ。フロリダマナティーはゾウみたいな皮膚で、同じマナティーでも生息地が違えば見た目も生態も全然違います」

 うんうん、とぼくはうなずいた。まったくもって合意する。それから、アマゾンマナティーは背中から見るとただ黒くて似た感じの印象だが、お腹側には大きな斑文があって、それぞれが個性的で、それもはっとするような美しさを感じる。そう言ったら、菊池さんも「そうそう!」と大いにうなずいた。

お腹の模様は個性的で美しい。
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 再び、室内に戻って、今後のことを聞いた。

 アマゾンマナティーと分かちがたく結びついた菊池さんの研究はこれから、どんなふうに進むのだろうか。