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「十勝岳で、ここのところ地震が増えたり、山がふくらんだりしています。蔵王も、お釜のところで地震が起こって、ふくらんだりしてますね。この辺は多分、東北の地震の影響が出ているんです。これ、ごらんいただきたいんですけど、東北の地震が起こったことで、日本列島が、どんなふうに歪む力を受けたかという数値シミュレーションを、何年後はどうでと100年後くらいまでやっているんです」

 見せていただいた図には、東北沖の地震で歪んだ地殻の分布が描かれていた。専門的には、「最大主応力分布」とある。これを見ていて、素朴に思ったのは、「日本以外には関係ない!」、いや、もっと言えば「東北と北関東以外は関係が薄い!」だ。

東北地方太平洋沖地震による影響(最大主応力分布)。影響があるのはせいぜい600kmの範囲までだ。
東北地方太平洋沖地震による影響(最大主応力分布)。影響があるのはせいぜい600kmの範囲までだ。
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「実は距離の3乗に反比例して、効果が下がっていきます。近くは影響が大きいですけど、例えば距離が10倍になると、もう1000分の1ぐらいに効果は下がるんです。ですので、大ざっぱに見て、影響があるのはせいぜい600キロくらいまでかなと思っています。御嶽山はぎりぎりその範囲ですが、影響は分からないですね。多分、阿蘇とか口永良部島とか九州の方は、関係ない。よく外国の方が気にすることがあって、例えば、韓国には火山がほとんどないので専門家がいないんですね。それで、我々に聞かれることがあるんです。特に、中国・北朝鮮の国境地帯にあるペクト山。あそこが噴火すると、北朝鮮の政治の体制にも影響するだろうから、韓国としてもとても気になるそうですね。でも、まあ、基本的には関係ないでしょうという話になります」

 東北地方太平洋沖地震の火山への影響は、日本ローカルということでよいらしい。しかし、それは我々にとっては大問題だ。十勝と蔵王のことはすでに触れたけれど、さらに藤田さんは、富士山について数値シミュレーションで検討をしていた。

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