火山の噴火には様々な種類がある。
前回、「水蒸気爆発」と「カルデラ噴火」が出てきたが、このあたりで整理をしておいた方が良さそうだ。藤田さんに教えてもらおう。
「マグマがどの程度、上がってきたかによるわけです。水蒸気爆発というのは、マグマがわりと地下水面近くに留まって、地下水を間接的に熱して、それが高温高圧になって爆発するものですね。噴火の中では比較的小規模です。2014年の御嶽山の噴火や箱根で想定されているものです。しかし、マグマと水が直接接するところまでマグマが上がってくると、マグマ水蒸気爆発というのが起きて、これの方が大規模になります。2015年の口永良部島の噴火がそうだったとされています。そして、マグマが直接噴火するのが、マグマ噴火です。これは国内では桜島や浅間山、海外ではハワイやエトナ山などが有名です。大きな噴火になりがちです」
基本的な噴火の仕方でも、マグマの熱が間接的に伝わった水蒸気爆発、マグマと水が接触して起こるマグマ水蒸気爆発、そして、マグマが直接噴出するマグマ噴火があるという。この順番に噴火規模は大きくなる。噴火規模とはこの場合、噴出物の量で定義されるのが一般的だそうだ。そして、カルデラ噴火は、通常のマグマ噴火よりもはるかに巨大で、地形を大規模に変えてしまうほどの破局的な噴火だ。(後述)。
最近の火山の科学は、噴火の直前の予兆は見つけられる水準に達している。「終わりが予測しにくい」という弱点はありつつも、すでに「実用」の域に達している。実際に、口永良部島の噴火は、観測が防災につながった最近の事例だ。
しかし、さきほどの噴火の「分類」の中で、一番規模が小さな水蒸気爆発と、一番巨大なカルデラ噴火については、予測しがたいのだそうだ。
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