第5回 3Dモデル生成、舞台裏の奮闘

 そこでまず、今回得た貴重な映像を使わせてもらえるかどうかを、番組のディレクターの岩垣保氏に尋ねてみた。すると二つ返事で承諾していただいただけでなく、オリジナルのデータが必要なのか、それとも別の映像フォーマットが必要なのか、こちらのリクエストに合わせて、どのような形でも対応しますという有り難い言葉までいただいた。オリジナルデータをハードディスクに入れて送ってもらい、3Dモデルの生成を試みたが、これが一筋縄ではいかなかった。

 当時、SFMは、コンピューター・サイエンスの分野としても一種のブームになっており、様々なソフトがでていた。安室先生はPhotoModeler Scannerというソフトを用い、映像をそのまま3Dモデルにすることを試みたが、しかし、すぐにこれがほぼ不可能であることが分かった。

 送られてきた映像は、カメラの設置場所を固定して上下左右にカメラを振ったり、ズームしたりして撮影されていた。SFMに適している映像素材は、カメラの設置場所を変えながら、様々な角度でオブジェクトを撮影する方法であるため、こういった通常のテレビ番組向けのカメラワークで撮影された映像はSFMに適していなかったのである。さらに、問題になったのは、ほとんどの映像に、私が映り込んでいることだった。3Dモデルを生成する対象は、洞穴であって、私ではない。そのため、私の姿ははっきり言って邪魔だったのである。

一コマずつの画像に分けられた映像。ほとんどの画面に筆者が映ってしまっている。(映像提供:TBS/テレビマンユニオン(世界ふしぎ発見!))
一コマずつの画像に分けられた映像。ほとんどの画面に筆者が映ってしまっている。(映像提供:TBS/テレビマンユニオン(世界ふしぎ発見!))
[画像のクリックで拡大表示]

 紆余曲折を経て、映像そのものを用いるのではなく、20分ほどの元の映像から、7分弱の使えそうな映像を選出し、QuickTimeというソフトを用いて、約3万枚の画像としてエクスポートし、今度そこから、使えそうな画像をPhotoModelerでマッチングさせてみた。それでも画像はうまく重ならなかったが、最終的に、Photosynthという無償のソフトを試したところ、3Dモデルを生成できたのである。

ウーダン氏からの友達リクエスト

 関大チームが3Dモデルの生成に奮闘しているある日、私の元に「内部螺旋傾斜路」説を唱えたウーダン氏から、突然、Facebookの友達リクエストが送られてきた。驚いたが、承認したところ、すぐに以下のようなメッセージが届いた。