第4回 乾き、光が強く、荒涼たる大地へ

マサイ族の少年とともに タンザニア 1991年
[画像のクリックで拡大表示]

――写真集『極限高地』で取り上げた3つの地域は、野町さんが長く取材に通っているエリアですが、逆にあまり関心が持てない場所というのもあるのですか。

 僕は、北アメリカをほとんど撮っていません。ヨーロッパも、東南アジアもあまり撮りたいと思わない。広大な乾いた風景が好きだけれど、オーストラリアは撮影では行っていません。風土としての魅力が、僕にはあまり感じられないんです。

 その土地や暮らしぶりが自分の肌に合うかどうかは、写真を撮るうえで大切だと思うんです。僕の場合は、乾いていて風土的にスケールが大きくて、強い光がさしている。そういう場所が体質的に合っているようです。さらに、そこに何らかの宗教的な背景があると、おもしろいと感じますね。そういう風土と人、土俗的な文化に対する僕の興味は、今後も変わることはないでしょう。

――宗教的な儀式などを撮るとなると、タブーや制約もいろいろあるのではないですか。

 当然、タブーもあるし、踏み込んではいけない場所もタイミングもあります。そこには神経を使います。最初のころはよくわかりませんでしたけれど。