――ドキュメンタリー写真を手がけるようになったきっかけは?

 広告写真の仕事をしながら何を撮るべきか模索していたのですが、サハラ砂漠との出会いが大きいですね。独立した翌年、1972年のことです。

 その年の1月、仕事仲間に誘われてヨーロッパアルプスにスキーツアーに行った。ツアーがパリで解散した後、友人とサハラへ行くことにしたのです。パリでおんぼろの中古車を買って、アフリカへ渡りました。

――なぜ、サハラ砂漠へ行こうと思ったのですか。

 地平線が見てみたい。そんな単純な願望からです。今なら、サハラ砂漠の写真も映像も、手軽に見ることができますが、当時は情報もありませんし、サハラについてはほとんど何も知りませんでした。

 当時見た映画「アラビアのロレンス」の影響もあったかもしれません。砂漠の広々とした風景に、憧れを抱いたのでしょう。ただ、ヨーロッパでは、車で中東やアフリカを旅行する若者たちが、当時はたくさんいましたよ。

砂丘の麓の放牧。サハラ砂漠 撮影=野町和嘉
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