第3回 25歳、サハラ砂漠との出会い

――野町さんが、初めてカメラを手にしたのは、いくつのときでしたか。

 高校2年のときです。父にキヤノネット(※キヤノンのカメラ)を買ってもらったのが最初です。

 僕は高知の生まれですが、足摺岬へ旅行したとき、このカメラを海に落としてしまいましてね。その後、ニッカというライカのコピー機と、引伸機など一式を中古で買って、それから写真にのめり込みました。

 高校を卒業して、大阪の会社に就職したのですが、どうしても写真の仕事がしたくて翌年に会社を辞めて上京。紆余曲折を経て杵島隆先生のスタジオに入りました。その1年半後に、自分で広告写真のスタジオを設立して独立しました。1971年、24歳のときです。

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野町和嘉 写真集『極限高地 チベット・アンデス・エチオピアに生きる』
標高4500メートルの高地で暮らす人々がいる。チベット、アンデス、エチオピアの3カ所は、人間にとって限界に近い高地だが、その地に暮らし、独自の文化を育んできた人々がいる。 一般的に高地は酸素が薄く、植生に乏しく、人が暮らすには向かない土地だ。だが、この3カ所は恵まれた自然条件や、長年かけて培った知恵によって、人々が暮らすことができた。しかも、低地にはない独自の文化を築き、奥深い伝統を保っている。高地の独自性に魅かれ、この3地域をめぐった写真家、野町和嘉が、極限の地の生活と雄大な自然を活写する。
出版社: 日経ナショナル ジオグラフィック社 価格:本体4600円+税 7月6日発売 ナショジオストア  アマゾン