第1回 奇怪で美しい、ボリビアの浸食台地

――浸食台地のことは現地で知ったのですか。

 そうです。何度か雇ったことのある現地のガイドが知っていて、彼から話を聞き、行ってみようということになったんです。

 でも、行くのは大変でした。ガイドとコックを伴ってランドクルーザーを借りて旅をするのですが、激しいアップダウンをいくつも越えていくのですから。観光地ではないので、旅行者向 けの宿泊施設もありません。

 3日ほど農家に泊めてもらったりもしましたが、A地点からB地点に走ってテント泊をして、また次へという移動パターンで、行く先でゆっくり時間を取ることもできませんでした。しかし、この奇怪で美しい浸食台地の造形には、興味が尽きませんでした。

――写真集『極限高地』には、聖地巡礼など信仰にまつわる写真も数多く取り上げられています。次は、それらについてうかがいましょう。

(つづく)

写真集『極限高地』に掲載された標高4000メートルのアルティプラノにそびえる砂の浸食台地

野町和嘉 写真集『極限高地 チベット・アンデス・エチオピアに生きる』
標高4500メートルの高地で暮らす人々がいる。チベット、アンデス、エチオピアの3カ所は、人間にとって限界に近い高地だが、その地に暮らし、独自の文化を育んできた人々がいる。 一般的に高地は酸素が薄く、植生に乏しく、人が暮らすには向かない土地だ。だが、この3カ所は恵まれた自然条件や、長年かけて培った知恵によって、人々が暮らすことができた。しかも、低地にはない独自の文化を築き、奥深い伝統を保っている。高地の独自性に魅かれ、この3地域をめぐった写真家、野町和嘉が、極限の地の生活と雄大な自然を活写する。
出版社: 日経ナショナル ジオグラフィック社 価格:本体4600円+税 7月6日発売 ナショジオストア  アマゾン  

野町和嘉(のまち かずよし)

1946年高知県生まれ。1971年からフリーの写真家として活動を始め、写真集の出版や写真展開催など国際的な活躍を続ける、日本を代表する写真家の一人。1987年8月、ナショナル ジオグラフィック英語版の特集「サハラ砂漠の岩絵」に写真が掲載された。過酷な風土を生き抜く人々の営みと信仰をテーマに、サハラ砂漠を皮切りに世界各地で撮影を続けてきた。2015年7月に写真集『極限高地』を出版する。


高橋盛男(たかはし もりお)

1957年、新潟県生まれ。フリーランスライター。自動車専門誌の編集を手がけたのちフリーライターに。JR東日本新幹線車内誌「トランヴェール」、プレジデント社「プレジデント」「プレジデントファミリー」などに執筆。