第1回 奇怪で美しい、ボリビアの浸食台地

 とくに重要なのはヤクの糞で、これは唯一の燃料です。標高4000メートルにもなると樹木が育たないので薪がありません。そこでヤクの糞を乾燥させて燃料にするのです。

 ヤクが家畜というより、人間が家畜のヤクに寄生して生きているようなものです。しかも、平地とはかなり異なるその生活が、何千年も前からあまり変わることなく引き継がれているわけです。また、そういう厳しい環境のなかを生き抜くうえで、信仰が非常に大きな意味を持っています。人知を超えた存在に対する祈りが彼らの生きる力の大切な支えになっていて、そこに高地ならではの文化の特殊性があります。それらに魅せられて、僕は撮り続けてきましたから、自然にテーマが絞られてきたという感じです。

――アンデスとエチオピアには、チベットとまた違ったかたちで、高地に順応した生活があるわけですね。

 そうです。食べ物も宗教も違いますしね。
 それと極限高地で魅力を感じるのはランドスケープです。スケールの大きさ、透明な空気感。そういった広大な景色に惹かれます。

 僕は、1972年に友人とサハラ砂漠を旅して、そのスケールに圧倒されたのがきっかけでドキュメンタリー写真をとるようになりました。世界各地を取材しましたが、この3カ所は何度行っても飽きるということがないですね。