本書の内容

新たな科学の発想や発明が致命的な禍いをもたらすことがある。十分な検証がなされず科学の名に値しないまま世に出てしまったものはもちろん、科学としては輝かしい着想や発明であったにもかかわらず、人々を不幸に陥れることがあるのだ。過ちを犯してしまった科学が「なぜ」「どのような」経緯をたどってそこに至ったのかを、詳しくわかりやすい物語として紹介する、迫真の科学ドキュメンタリー。

目次

はじめに
第1章 神の薬 アヘン
第2章 マーガリンの大誤算
第3章 化学肥料から始まった悲劇
第4章 人権を蹂躙した優生学
第5章 心を壊すロボトミー手術
第6章 『沈黙の春』の功罪
第7章 ノーベル賞受賞者の蹉跌
第8章 過去に学ぶ教訓
エピローグ
参考文献
索引

本書のサンプル

禍いの科学 サンプル画像①

著者

ポール・A・オフィット
1951年生まれ。米国の医学研究者かつ臨床医.ペンシルベニア大学医学部の教授(ワクチン学および小児科学)。フィラデルフィア小児病院のワクチン教育センターの所長.ロタウイルスワクチンの共同開発者であり、ワクチン研究分野では著名な研究者・臨床医。米国の疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会委員であり、自閉症科学財団の設立メンバーの一員でもある。「恐ろしい感染症からたくさんの命を救った現代ワクチンの父の物語」(南山堂)、「反ワクチン運動の真実: 死に至る選択」(地人書館)、「代替医療の光と闇 ― 魔法を信じるかい?」(地人書館)など著書多数。

日本語版監修

大沢 基保
薬博、帝京大学名誉教授。(一財)食品薬品安全センターの研究顧問。東京大学大学院修了後、労働省の研究所にて職業病の研究を行う。その間に英国MRCトキシコロジー研究所、米国ミシガン大学医学部にて研究に従事。その後帝京大学薬学部に移り、主に重金属などの環境物質の生理/毒性作用について研究し、日本免疫毒性学会賞受賞。WHO/IPCSの免疫毒性に関する環境保健基準書の作成員を務める。

訳者

関谷 冬華
翻訳者。広島大学大学院先端物質科学研究科量子物質科学専攻博士課程前期修了。研究支援ソフトウェア開発会社、翻訳会社に勤務後、独立。訳書に『世界をまどわせた地図』、『科学の誤解大全』、『ビジュアルパンデミック・マップ』など。

読者の声

  • 科学の大発見、人間の進歩の一部として見つけられた物が、国・世界をまきこみ、大きな歴史を作ってしまった経緯が、細かく、また面白く書かれていて、読んだ後に長く考えさせられた。(17歳、女性)
  • 科学の光と陰が精緻に描写されていて、科学者の限界がよくわかる。(72歳、男性)