アフリカゾウは窮地に追い込まれている。好景気に沸く中国で象牙が高値で売れる一方で、アフリカ諸国は絶望的な貧困にあえぎ、取り締まり当局は弱体化し、汚職に手を染めている。その結果、密猟がはびこって、年間およそ3万頭ものゾウが殺される事態となった。違法象牙の大半は中国向けで、中国では象牙の箸に12万円を超える値がつき、象牙の彫刻はその100倍もの価格で売れる。

しかし、アフリカ中部では、もっと危険な動機が人々を密猟に駆り立てている。象牙を重要な資金源にする武装集団やテロ組織が、国境を越えてゾウを殺しているのだ。

ナショナル ジオグラフィックは、GPS装置を内蔵した偽の象牙を特注し、象牙密輸の闇ルートを追跡する取材を敢行。すると残虐な密猟者たちの足取りが浮かび上がってきた。

野生生物を脅かす犯罪を伝えるためにナショナル ジオグラフィックが設置した特別調査チームによるレポート。

象牙は武器の資金/象牙はスーダンへ?/税関でひと騒動/レンジャーたちの奮闘
偽の象牙を市場に流す/チャドでの虐殺事件/偽の象牙を追跡する/衛星画像による証拠

※ナショナルジオグラフィック日本版 2015年9月号掲載記事