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クリスマスのシンボルといえば、陽気なひげのおじいさん、サンタクロース。このロシアの聖像には、サンタのモデルとなった3世紀ギリシャの司教聖ニコラウスと、彼の生涯を表す場面が描かれている。(HIP, ART RESOURCE)

イエス・キリストは何月何日生まれ? クリスマスの歴史とトリビア

2021.12.23
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 クリスマスはなぜ、これほどの人気を博すようになったのだろうか。この行事はどのようにして生まれたのか、そして、人々から特に愛されている背景には何があるのかを紹介しよう。

イエス・キリストは何月何日生まれ?

 実のところ、キリスト教の福音書はイエスが誕生した日付について言及していない。そこに書かれているのは、マリアの無原罪懐胎とイエスの身分の低い生まれについてだ。

 福音書によると、イエスの母であるマリアは、神のひとり子を生むよう神によって選ばれた処女であった。マリアが身ごもったことを知ると、彼女と婚約していた大工のヨセフは、この約束を解消しようとする。しかしヨセフの夢に天使が現れ、恐れることはないと告げる。そして結婚したふたりは、ローマ皇帝が民に命じた住民登録を行うためにベツレヘムに向かう辛い旅に出る。

フアン・コレア・デ・ビバルによる「東方三博士の礼拝」。生まれたばかりのイエス・キリストのもとを訪れ、贈り物を授ける三人の賢者が描かれている。クリスマスは現在12月25日に祝われているが、福音書にイエスの誕生日は記されていない。(JUAN CORREA DE VIVAR, ORONOZ/ART RESOURCE)
フアン・コレア・デ・ビバルによる「東方三博士の礼拝」。生まれたばかりのイエス・キリストのもとを訪れ、贈り物を授ける三人の賢者が描かれている。クリスマスは現在12月25日に祝われているが、福音書にイエスの誕生日は記されていない。(JUAN CORREA DE VIVAR, ORONOZ/ART RESOURCE)
西暦800年のクリスマスに、ローマのサンピエトロ大聖堂で西のキリスト教徒皇帝として戴冠したシャルルマーニュ(カール大帝)。当時、キリスト教会はすでに12月25日にクリスマスを祝うようになっていたが、その日がどのように決定されたかについては歴史家の間で意見がわかれている。(ART RESOURCE)
西暦800年のクリスマスに、ローマのサンピエトロ大聖堂で西のキリスト教徒皇帝として戴冠したシャルルマーニュ(カール大帝)。当時、キリスト教会はすでに12月25日にクリスマスを祝うようになっていたが、その日がどのように決定されたかについては歴史家の間で意見がわかれている。(ART RESOURCE)
12世紀、フランスのスヴィニーで石柱の側面に刻まれた彫刻。12月の文字とクリスマスのごちそうが見える。(A DAGLI ORTI / NPL - DEA PICTURE LIBRARY, BRIDGEMAN IMAGES)
12世紀、フランスのスヴィニーで石柱の側面に刻まれた彫刻。12月の文字とクリスマスのごちそうが見える。(A DAGLI ORTI / NPL - DEA PICTURE LIBRARY, BRIDGEMAN IMAGES)

 ベツレヘムには多くの人が殺到したため、出産を控えた夫婦が泊まれる宿はなかった。ふたりを不憫に思った宿屋の主人が、家畜小屋を寝床として提供してくれ、マリアはそこで神の子を出産する。マリアが息子を飼い葉桶に寝かせると、天使が歌い、空に明るい星が輝いた。(参考記事:「イエス・キリストとはどんな人物だったのか?」

 12月25日がどのようにしてクリスマスと結び付けられるようになったのかについて、歴史家の意見はわかれている。しかし、西暦336年には、ローマのキリスト教会でこの日にクリスマスのお祝いが行われており、これはローマ人が冬至を祝う「サートゥルナーリア祭」の日でもあった。

ギャラリー:クリスマスはこうして世界の祝祭になった 写真と画像14点(写真クリックでギャラリーページへ)
1924年、子供向け雑誌『セントニコラス』誌の広告用カード。ラジオに耳を傾けるサンタクロースが描かれている。
1924年、子供向け雑誌『セントニコラス』誌の広告用カード。ラジオに耳を傾けるサンタクロースが描かれている。
歴史上、サンタクロースはさまざまな姿で登場する。この20世紀のハンガリーのクリスマスカードには、毛皮のついた青いコートと帽子を身に着け、おもちゃの入った袋と果物かごを持つサンタクロースが描かれている。
歴史上、サンタクロースはさまざまな姿で登場する。この20世紀のハンガリーのクリスマスカードには、毛皮のついた青いコートと帽子を身に着け、おもちゃの入った袋と果物かごを持つサンタクロースが描かれている。

 冬の祝祭は古代より世界各地に存在し、やがてそうした祝祭の伝統の多くがクリスマスと結び付いていった。たとえば、ゲルマン人の冬至の祭り「ユール」ではごちそうを食べてお祝いし、またケルト人のドルイド(祭司)たちは、2日間の冬至祭にキャンドルに火を灯し、ヒイラギやヤドリギで家を飾った。(参考記事:「ドルイドって何? 古代ケルト、謎の社会階級」

次ページ:クリスマスのご馳走

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