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死が近いキタシロサイの最後のオス「スーダン」と、寄り添うレンジャーのジョーゼフ・ワチラさん。この写真は2018年3月、ケニアのオルペジェタ自然保護区で撮影された。最後の瞬間まで記録したエイミー・ビターリ氏は、「スーダンは、彼を愛する人たちに見守られて旅立ちました」と書いている。「スーダンの物語が、この壮大で繊細な地球を守る行動のきっかけとなることを願っています」(PHOTOGRAPH BY AMI VITALE, NATIONAL GEOGRAPHIC)

フォロワー2億人の心を動かした写真14点、ナショジオのインスタから

2022.03.27
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 ナショナル ジオグラフィックがインスタグラムのアカウントを開設してから10年。フォロワーは2億人を超えた。この数年間に投稿した中で、反響の大きかった写真の一部を紹介しよう。

 この10年間、このアカウント@natgeoでは、写真家の暮らしや仕事の様子を紹介してきた。写真家たちがどこを訪れ、だれに会い、ナショナル ジオグラフィック誌で語られるストーリーをどのように取材したのかをうかがい知ることができる。

 これまでに写真を投稿したナショジオの写真家は100人以上、作品は2万6000点以上。2016年に閲覧データを記録し始めて以来、インプレッション(投稿がユーザーの画面に表示された回数)は820億近くに上り、80億の「いいね!」と4300万件以上のコメントが寄せられている。

 投稿された写真の多くは、私たちが暮らす地球と、この星に生息する生物の美しさと驚異をとらえたものだ。フォロワーたちは、写真家エイミー・ビターリ氏とともに、キタシロサイの最後のオス「スーダン」に別れを告げた。米グレート・スモーキー・マウンテンズ国立公園では、キリイ・ユヤン氏のかたわらで、同期して発光するホタルを見つめた。

 写真家たちは、人々の苦しみにも光を当てた。ジョシュア・イルワンディ氏は、新型コロナで死亡したとみられる遺体の写真をインドネシアの病院で撮影した。2005年のアフガニスタンでは、ステファニー・シンクレア氏が児童婚による幼い新妻の姿をとらえた。

 ソーシャルメディアの力だけではなく、写真の持つ力がここに示されている。

米ミネソタ州でジョージ・フロイドさんが警察官に殺害されてから1カ月後、クリス・グレーブス氏は、米バージニア州リッチモンド周辺でロバート・リー将軍像を撮影した。19世紀の南北戦争で奴隷制度を支持した南軍の司令官だった。「夜遅く、銅像が並ぶモニュメント・アベニューで、アーティストのダスティン・クラインさんが記念碑に画像を投影させているところに遭遇し、撮影しました」(参考記事:<u><a href="/atcl/photo/stories/21/091400057/" target="_blank">「設置から130年、南北戦争の「英雄」像ついに撤去 写真10点」</a></u>)(PHOTOGRAPH BY KRIS GRAVES, NATIONAL GEOGRAPHIC)
米ミネソタ州でジョージ・フロイドさんが警察官に殺害されてから1カ月後、クリス・グレーブス氏は、米バージニア州リッチモンド周辺でロバート・リー将軍像を撮影した。19世紀の南北戦争で奴隷制度を支持した南軍の司令官だった。「夜遅く、銅像が並ぶモニュメント・アベニューで、アーティストのダスティン・クラインさんが記念碑に画像を投影させているところに遭遇し、撮影しました」(参考記事:「設置から130年、南北戦争の「英雄」像ついに撤去 写真10点」)(PHOTOGRAPH BY KRIS GRAVES, NATIONAL GEOGRAPHIC)
写真家兼サケ漁師のコーリー・アーノルド氏は、アリューシャン列島の過酷な海と漁業を取材中、この写真を撮影した。「ウナラスカ島に滞在中、毎晩、道路のそばでこのアカギツネに出会いました。あまりのかわいさに、車を運転する人たちが窓からスナックを投げたりしていました」(参考記事:<u><a href="/atcl/photo/16/b/040400010/" target="_blank">「漁師兼写真家が撮った、冬の過酷なベーリング海での漁業10点」</a></u>)(PHOTOGRAPH BY COREY ARNOLD, NATIONAL GEOGRAPHIC)
写真家兼サケ漁師のコーリー・アーノルド氏は、アリューシャン列島の過酷な海と漁業を取材中、この写真を撮影した。「ウナラスカ島に滞在中、毎晩、道路のそばでこのアカギツネに出会いました。あまりのかわいさに、車を運転する人たちが窓からスナックを投げたりしていました」(参考記事:「漁師兼写真家が撮った、冬の過酷なベーリング海での漁業10点」)(PHOTOGRAPH BY COREY ARNOLD, NATIONAL GEOGRAPHIC)
ドナーから取り出され、移植希望者への移植を待つこの顔面は、ひとりの人間の顔とアイデンティティーの深いつながりを考えさせる。この顔は、これから21歳のケイティ・スタブルフィールドさんの顔として生き続けることになる。彼女は、米国でこの実験的な移植手術を受ける最年少の患者となった。スタブルフィールドさんと家族は、現代医学の奇跡と、十代の若者の絶望や自殺未遂が残した傷跡に、生涯をかけて立ち向かっていくことになるだろう。(参考記事:<u><a href="/atcl/news/18/102300454/" target="_blank">「顔を失った女性、顔面移植成功で再出発を誓う」</a></u>)(PHOTOGRAPH BY LYNN JOHNSON, NATIONAL GEOGRAPHIC)
ドナーから取り出され、移植希望者への移植を待つこの顔面は、ひとりの人間の顔とアイデンティティーの深いつながりを考えさせる。この顔は、これから21歳のケイティ・スタブルフィールドさんの顔として生き続けることになる。彼女は、米国でこの実験的な移植手術を受ける最年少の患者となった。スタブルフィールドさんと家族は、現代医学の奇跡と、十代の若者の絶望や自殺未遂が残した傷跡に、生涯をかけて立ち向かっていくことになるだろう。(参考記事:「顔を失った女性、顔面移植成功で再出発を誓う」)(PHOTOGRAPH BY LYNN JOHNSON, NATIONAL GEOGRAPHIC)
「他の人はどうか知りませんが、私はホタルを見ると、幼い頃を思い出します」と写真家キリイ・ユヤン氏は書いている。この同期して光るホタルの様子は、米グレート・スモーキー・マウンテン国立公園の森で、日没後に撮影された。(参考記事:<u><a href="/atcl/photo/stories/20/061500038/" target="_blank">「なぜか同期して光るホタル、米国の森で調査 写真7点」</a></u>)(PHOTOGRAPH BY KILIII YUYAN, NATIONAL GEOGRAPHIC)
「他の人はどうか知りませんが、私はホタルを見ると、幼い頃を思い出します」と写真家キリイ・ユヤン氏は書いている。この同期して光るホタルの様子は、米グレート・スモーキー・マウンテン国立公園の森で、日没後に撮影された。(参考記事:「なぜか同期して光るホタル、米国の森で調査 写真7点」)(PHOTOGRAPH BY KILIII YUYAN, NATIONAL GEOGRAPHIC)
曲芸をするホッキョクグマの姿をとらえた貴重な記録。このような飼育は議論を呼んでいるが、ロシアのカザンでは違法とされていない。ホッキョクグマは絶滅の危機にあり、自然保護の強力なシンボルだが、撮影されたクマたちは金属の口輪をはめられ、調教師は金属製の棒を手にしていた。写真家カーステン・ルース氏とライターのナターシャ・デイリー氏は、野生動物観光の裏に潜む動物虐待の実態を把握するため、世界各地を取材してきた。「野生動物観光を楽しんだ人たちを非難する意図はありません」とルース氏は書いている。「人々に情報を提供することで、動物が潜在的に虐待を受けていることに気づいてもらいたいのです」(参考記事:<u><a href="/atcl/news/20/101500603/" target="_blank">「最高峰の野生生物写真コンテスト、2020年の受賞作15点」</a></u>)(PHOTOGRAPH BY KRISTEN LUCE, NATIONAL GEOGRAPHIC)
曲芸をするホッキョクグマの姿をとらえた貴重な記録。このような飼育は議論を呼んでいるが、ロシアのカザンでは違法とされていない。ホッキョクグマは絶滅の危機にあり、自然保護の強力なシンボルだが、撮影されたクマたちは金属の口輪をはめられ、調教師は金属製の棒を手にしていた。写真家カーステン・ルース氏とライターのナターシャ・デイリー氏は、野生動物観光の裏に潜む動物虐待の実態を把握するため、世界各地を取材してきた。「野生動物観光を楽しんだ人たちを非難する意図はありません」とルース氏は書いている。「人々に情報を提供することで、動物が潜在的に虐待を受けていることに気づいてもらいたいのです」(参考記事:「最高峰の野生生物写真コンテスト、2020年の受賞作15点」)(PHOTOGRAPH BY KRISTEN LUCE, NATIONAL GEOGRAPHIC)
ギャラリー:フォロワー2億人の心を動かした写真、ナショジオのインスタから 写真14点(写真クリックでギャラリーページへ)
ギャラリー:フォロワー2億人の心を動かした写真、ナショジオのインスタから 写真14点(写真クリックでギャラリーページへ)
婚約式で40代とみられる婚約者と並ぶアフガニスタンの11歳の少女。2005年にアフガニスタンで撮影された。アフガニスタンでは、数十年をかけて女性と少女の権利向上が図られてきたが、2021年8月、タリバンが支配権を奪還した。写真家のステファニー・シンクレア氏は、「女性と少女の権利は、大幅に後退してしまいました」と述べている。その後、誘拐、暴力、少女とタリバン兵士との強制婚など、戦争犯罪や女性と少女に対する暴力の報告が相次いでいる。(参考記事:「写真家:ステファニー・シンクレア」)(PHOTOGRAPH BY STEPHANIE SINCLAIR, NATIONAL GEOGRAPHIC)

次ページ:社会問題について考えさせる写真も

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