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2021年1月6日、米国議会議事堂の外で警備にあたる警察官。2020年の大統領選で落選したドナルド・トランプ前大統領の支持者たちが、この日選挙結果に抗議するため、首都ワシントンDCに集まっていた。(PHOTOGRAPH BY ADAM FERGUSON)
ナショジオの写真家が切り撮った2021年、世界の光と影 写真25点
2021.12.22
2021年は20年より「いくらかましだった」と感じている人は多いことだろう。新型コロナウイルスとの闘いで人類が前進したおかげで、世界中で都市封鎖が解除されたり、完全ではないものの通常の生活が戻ってきたりしている。大人たちは職場へ、子どもたちは学校へ戻った。家族や友人が再会を果たし、遠慮がちに抱き合いながらも、以前ほど感染を恐れることはなくなった。(参考記事:「新型コロナウイルス 関連記事まとめ【随時更新】」)
もちろん、パンデミックは終わっていない。コロナ以外のことに目をやっても2021年は波乱に満ちた年だったと言える。米国では、年が明けてわずか1週間でとんでもない事件が起きた。1月6日、前年の大統領選挙の結果を認定しようとしていた議会に数千人の暴徒が押し入ったのだ。警察官1人がこの時のけがが元で死亡し、約140人が重傷を負った。(参考記事:「米議会乱入事件、現場にいた記者は何を見た?」)
気候変動の影響で、世界各地で自然災害も多く発生した。ヨーロッパからシベリア、カナダ、米国西部では森林火災が猛威を振るった。ギリシャのエビア島では8月、歴史的な熱波による火災で多くの民家が焼失し、住民と観光客が避難を余儀なくされた。
米国西部のタホ湖周辺でも、1000平方キロ以上が焼け野原となり、900棟以上の商業施設や住宅が失われた。一方、ドイツでは記録的な豪雨によって広範囲で洪水が発生し、ハイチではマグニチュード7.2の地震で2200人を超える死者が出た。(参考記事:「ハイチ地震の死者2200人に、パンデミックと大統領暗殺、暴風雨と大混乱 写真14点」)
政治的な混乱も起きた。アフガニスタンが再びタリバンに掌握され、同国の民主化への道はあっけなく閉ざされた。エチオピアでは、内戦と干ばつによる人道的危機が発生し、今もまだ混乱が続いている。(参考記事:「暗い雲が覆うアフガニスタン」)
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