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2021年1月6日、米国議会議事堂の外で警備にあたる警察官。2020年の大統領選で落選したドナルド・トランプ前大統領の支持者たちが、この日選挙結果に抗議するため、首都ワシントンDCに集まっていた。(PHOTOGRAPH BY ADAM FERGUSON)

ナショジオの写真家が切り撮った2021年、世界の光と影 写真25点

2021.12.22
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 でも、暗いニュースばかりではない。なかには、人々に希望を与えてくれる話題もあった。教皇フランシスコは、ローマ教皇として史上初のイラク訪問を果たし、長年の紛争で深い傷を負った国で、「心の慰めと傷の癒やし」を願い求めた。

 人種差別撤廃運動が吹き荒れた米国では、アフリカ系米国人にとって3つの大きな節目となる出来事があった。米ミネソタ州ミネアポリスでは、黒人のジョージ・フロイドさんの死をめぐり、元警察官のデレク・ショービン被告が有罪評決を受けた。

 バージニア州リッチモンドでは、数カ月の抗議運動と訴訟の末、南北戦争時代の英雄ロバート・E・リー将軍の銅像が撤去された。(参考記事:「設置から130年、南北戦争の「英雄」像ついに撤去 写真10点」

2021年3月5日、イラクに到着した直後、バグダッドの大統領宮殿で歓迎を受ける教皇フランシスコ。(PHOTOGRAPH BY MOISES SAMAN)
2021年3月5日、イラクに到着した直後、バグダッドの大統領宮殿で歓迎を受ける教皇フランシスコ。(PHOTOGRAPH BY MOISES SAMAN)
2021年4月20日、米ミネアポリスのジョージ・フロイド広場で、ジョージ・フロイドさんを殺害した元警察官に有罪評決が下ったという知らせを聞いて喜ぶ支持者たち。この1年近く前に起こった事件がきっかけで、警官の暴力に対する抗議運動が世界中で巻き起こった。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER)
2021年4月20日、米ミネアポリスのジョージ・フロイド広場で、ジョージ・フロイドさんを殺害した元警察官に有罪評決が下ったという知らせを聞いて喜ぶ支持者たち。この1年近く前に起こった事件がきっかけで、警官の暴力に対する抗議運動が世界中で巻き起こった。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER)
2021年9月8日、米バージニア州リッチモンドで、南北戦争時代に南軍を指揮したロバート・E・リー将軍の銅像が撤去された。(PHOTOGRAPH BY AMR ALFIKY)
2021年9月8日、米バージニア州リッチモンドで、南北戦争時代に南軍を指揮したロバート・E・リー将軍の銅像が撤去された。(PHOTOGRAPH BY AMR ALFIKY)

 奴隷制度維持派だった南軍を率いたリー将軍の像は、多くのアフリカ系米国人にとっては人種差別の象徴だった。またオクラホマ州タルサでは、5月31日、タルサ人種虐殺事件の100周年を記念した式典が開かれた。数十年の間、歴史から消され、忘れられていた事件だ。

 同様に過去の差別を明らかにしようと活動してきたアメリカ先住民にとっても、今年は大きく前進した年だった。100年以上前に、ペンシルベニア州カーライルの寄宿学校で死亡したラコタ族の子ども9人の遺骨が、6年におよぶロビー活動の結果、今年ようやくサウスダコタ州へ戻され、先祖代々の土地に埋葬された。

 米国にはかつて、先住民の子どもたちを白人社会へ強制的に同化させることを目的とした寄宿学校が各地に存在していた。ところが、学校では虐待や病気が蔓延し、多くの子どもたちが命を落としていた。カーライルの学校には、39年間で1万人が入学させられたが、数百人が生きて戻らなかったとされている。(参考記事:「かつての寄宿生が語る、カナダによる先住民同化教育の過去」

米オクラホマ州立大学の壁画。ここに描かれているタルサ人種虐殺事件は、過去100年の間もみ消され、否定されてきた。(PHOTOGRAPHS BY BETHANY MOLLENKOF)
米オクラホマ州立大学の壁画。ここに描かれているタルサ人種虐殺事件は、過去100年の間もみ消され、否定されてきた。(PHOTOGRAPHS BY BETHANY MOLLENKOF)
米ペンシルベニア州の元寄宿学校に埋葬されていた9人の子どもの遺骨が、サウスダコタ州の先住民に引き渡された。7月17日、6人分の遺骨がローズバッド・スー族の居留地内に再埋葬され、3人分の遺骨は家族の元へ返された。(PHOTOGRAPH BY DANIELLA ZALCMAN)
米ペンシルベニア州の元寄宿学校に埋葬されていた9人の子どもの遺骨が、サウスダコタ州の先住民に引き渡された。7月17日、6人分の遺骨がローズバッド・スー族の居留地内に再埋葬され、3人分の遺骨は家族の元へ返された。(PHOTOGRAPH BY DANIELLA ZALCMAN)
ギャラリー:ナショジオの写真家が切り撮った2021年、世界の光と影 写真25点(画像クリックでギャラリーへ)
ギャラリー:ナショジオの写真家が切り撮った2021年、世界の光と影 写真25点(画像クリックでギャラリーへ)
米テキサス州ミッションにあるシャリーランド高校のマリアッチ楽団。1年間オンラインで練習してきたが、2021年9月16日のメキシコ独立記念日に、初めて対面で演奏を披露した。(PHOTOGRAPH BY CHRISTOPHER LEE)

 ほかにも、世界では今年1年間様々なことがあった。私たちの人生を形作るこれらの重要な出来事を、ナショナル ジオグラフィックの写真とともに振り返ってみよう。

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文=TUCKER C. TOOLE/訳=ルーバー荒井ハンナ

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