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ドローンで撮影した世界最高峰エベレスト。26枚の写真をつないだ360度パノラマ写真は下をご覧ください。(PHOTOGRAPH BY RENAN OZTURK)

レア写真:世界最高峰エベレストの威容、空からパノラマ撮影

2019.06.19

 エベレストが撮影されたのは、1903年の英国人将校による写真がおそらく最初だ。以来、写真家たちは、この世界最高峰を象徴する写真を撮ろうと、あの手この手で挑んできた。エベレストの巨大な山体のスケール感と、この山がヒマラヤの風景の中でどのような位置にあるかを1枚の写真で同時に表現することはほぼ不可能だ。

 プロの登山家で、映像制作者でもある39歳のレナン・オズターク氏は、今年、ナショナル ジオグラフィックのために、まさにそんな写真を撮影しに出かけた。目指したのは、特殊な改造を施したドローンを使ってエベレストの威容を描き出しつつ、この山がどれほど驚異的な風景を見渡しているかを示すことにあった。

このモザイク写真は、26枚の写真をパズルのピースのように組み合わせたもので、エベレストの北面と、それを取り巻く風景を示している。画像の左右の端を合わせると、360度パノラマ連続写真になる。(PHOTOGRAPH BY RENAN OZTURK)
[画像をタップでギャラリー表示]

 そんなわけでオズターク氏は、標高7020m、頂上までの標高差1800mほどのノースコルで、薄い空気にあえぎながら氷点下の寒さに震えていた。8カ月がかりの計画は、この瞬間のためにあった。ドローンのバッテリーが酷寒に耐えて写真を撮影できる時間は、計算上15分しかないことがわかっていた。彼はかじかんだ手でドローンを空に飛ばした。プロペラが甲高い音を立てて回転した。(参考記事:「標高5000mに出現する季節限定の街 エベレスト」

 オズターク氏がエベレストでドローンを飛ばすのは、これが初めてではない。彼のチームは何度も挑戦しては、そのたびに失敗していた。「風が強すぎると、ドローンはたちまち制御が利かなくなってしまいます」と彼は言う。「上昇気流や下降気流のせいで、ときどき、フルスロットルで下降しようとしているのに上昇を続けたり、その逆になったりすることがあるのです。まさに風のなすがままです」

参考ギャラリー:エベレスト、頂上付近の大渋滞 写真6点(画像クリックでギャラリーへ)
エベレストの頂上付近で登山者が大渋滞する写真が、議論を呼んでいる。しかし現場にいたベテランガイドは、渋滞そのものよりも、その背景にある大きな問題を指摘している。独占写真を含む現場写真6点。 (PHOTOGRAPH BY @NIMSDAI PROJECT POSSIBLE)

次ページ:過酷な環境でドローンを飛ばす

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