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表紙写真は、桜が満開のころに撮影された。新倉山浅間公園の忠霊塔が、富士山を引き立てる。(PHOTOGRAPH BY TAKASHI NAKAZAWA, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

富士山を7年間、撮り続けた日本人写真家 絶景写真15点

2018.05.22
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 ナショナル ジオグラフィックの写真コミュニティ「Your Shot」の作品が、「ナショナル ジオグラフィック トラベラー」誌の表紙に使われるのは史上2度目だ。同誌6・7月号のテーマは「人生を変えた旅」。「Your Shot」から1万9000枚近い写真が提出され、審査を経て、最終的に15作品がエピソードとともに採用された。

 その中でトップに立ったのが、富士山を撮ったTakashi(中澤隆)氏の作品だ。氏は7年近く前から、この被写体を撮り続けている。

Takashi氏による富士山の写真は、「ナショナル ジオグラフィック トラベラー」誌の6・7月号の表紙を飾った。(PHOTOGRAPH BY TAKASHI NAKAZAWA, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

 東京在住のTakashi氏は、7年前に初めて富士山麓を訪れ、そのとりこになった。以来、ほぼ毎週末富士山へ行き、撮りためた写真は推定7万枚に上る。たいてい、夜の暗いうちに東京から車を走らせ、富士山に近い山や湖、道路などに駐車して、夜明けまで車中で眠る。夜明けの時間帯に富士山を撮るのが一番好きなのだという。

 彼のプロフィールにある写真をひと目見れば、富士山への思いがよくわかる。あらゆる季節のあらゆる時間に、さまざまな距離からこの山を撮っており、その作品群は、風景写真というよりもむしろ肖像写真に近いシリーズになっている。

ギャラリー:富士山を毎週撮り続けて 写真15点(画像クリックでギャラリーページへ)
高ボッチ山からの富士山。雲海が諏訪湖を覆い、朝の光が絵画のようなシーンをつくり出した。(PHOTOGRAPH BY TAKASHI NAKAZAWA, NATIONAL GEOGRAPHIC YOUR SHOT)

 富士山を撮るためにTakashi氏が数百回も撮影に出かけたと聞くと、きっと山頂に立ったこともあるのだろうと思うかもしれない。富士登山も、ここを訪れる旅行者に人気だからだ。しかし、「登ろうと思ったことはありません」と彼は言う。「富士山に登ったら、富士山の写真を撮れませんから」。Takashi氏にそう言われると、非常に説得力がある。

「富士山の美しさを表現して、世界中の人を幸せにできたらと思います。そして、実際に行きたいと思ってもらえれば」とTakashi氏は話す。人々が自ら訪れることで富士山の精神性に出合い、日本そのものを理解するだろうと、彼は考えている。「富士山は日本をとても端的に表すシンボルですから」

【この記事の写真をもっと見る】富士山を毎週撮り続けて 写真あと13点

文=Marie McGrory/訳=高野夏美

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