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【ギャラリー】時間が止まったイタリアの廃村 写真19点(写真クリックでギャラリーページへ)

イタリア南端のアメンドレアは1950年代に洪水があり、放棄された。(PHOTOGRAPH BY BRUNO ZANZOTTERA, PARALLELOZERO)

時間が止まったイタリアの廃村、ひそかに人気 写真19点

2018.08.21
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 イタリアの有名な観光地といえば古代の遺跡だ。一方で今、新たな「遺跡」が人々のひそかな人気を集めつつある。廃村だ。

 イタリアの廃村は数千に上ると考えられている。2007年にイタリア政府が行った未登記不動産の調査で、登記されていない廃屋がある土地は約200万区画あることが判明。経済不況に悩む南部に最も集中していた。

 村が放棄された経緯はそれぞれ異なる。地震や地滑りといった自然災害による場合もあれば、鉱山の閉鎖や、働き口を探して都市へ出て行くなど、経済的な理由で人がいなくなってしまった村もある。(参考記事:「【動画】廃墟となった山上の集落、イタリア」

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シチリア島、ポッジョレアーレの廃墟。1960年代に地震が続いたことで荒廃していった。(PHOTOGRAPH BY BRUNO ZANZOTTERA, PARALLELOZERO)

 捨てられた村の多くは、眺めの良い海岸線沿いや高い崖の上など、息をのむような自然美の中にある。例えばサルデーニャ島の放棄された鉱山町や、本土南部の中世の都市クラーコがそうだ。クラーコは20世紀後半、地滑りが原因で住民が去った。(参考記事:「【動画】廃墟の村を草がのみ込んだ、不思議な風景」

 イタリア、ミラノから北へ車で1時間ほどのところにある町、コンソンノは、ある変わり者の開発者がつくった「おもちゃの都市」だった。もともと静かな農村だったが、1960年代、企業家のマリオ・バーニョが村を買い上げ、建物を取り壊して再開発を行った。米国のラスベガスのような場所にしようという構想だった。(参考記事:「どっちが本物? パリの模倣都市、中国・天都城 写真21点」

 しかし、アルプスの麓にできたこの大人の遊び場は、1976年に地滑りで入場路が壊され、バーニョの夢はオープンからたった数年でゴーストタウンと化した。近年、この村はひそかな人気を呼び、かくれんぼの世界大会が2つ開催されている。(参考記事:「ギャラリー:世界のゴーストタウン10選」

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モンテベッキオの鉱山が1991年に閉鎖されると、多くの鉱山作業員たちが家を捨てて去っていった。(PHOTOGRAPH BY BRUNO ZANZOTTERA, PARALLELOZERO)
イタリア南部の中世都市クラーコ。地滑りのため、20世紀後半に放棄された。(PHOTOGRAPH BY BRUNO ZANZOTTERA, PARALLELOZERO)

 過疎化に悩む自治体は、近年、人口回復のためにさまざまな手段を試みている。2012年には、無人になったトスカーナの中世の集落プラタリッチアが、インターネットオークションサイトのeBayに出品された。2017年には、イタリア北部の自治体ボルミダの首長が、移住してくる人に2000ユーロを支給する案を発表したと英ガーディアン紙が報じている。今年2月のCNNの報道によれば、サルデーニャ島の町、オッロラーイでは何百軒もの家が1軒につき1ユーロで売りに出されたという。

 こうした試みによって集落を廃村の危機から救えるのかはわからない。その間にも、好奇心のある旅行者はイタリアを訪れ、捨てられた街の残骸を見て回り、過去の生活の様子に思いを馳せている。(参考記事:「緑にのまれる美しき廃墟たち、33カ国700カ所以上を撮影、写真13点」

【動画】南イタリアの山上に打ち捨てられたゴーストタウン(解説は英語です)
カラブリア州の丘陵地にあるゴーストタウン、ログーディ・ベッキオは、かつてギリシャ語を話す人々が暮らすコミュニティーのひとつだった。(この動画の記事を読む:「【動画】廃墟となった山上の集落、イタリア」

【この記事の写真をもっと見る】ギャラリー:時間が止まったイタリアの廃村、写真あと15点

文=ABBY SEWELL/写真=BRUNO ZANZOTTERA/訳=高野夏美

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