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【ギャラリー】感情が静かに伝わってくるサルの写真10点(写真クリックでギャラリーページへ)

雪の中、温泉から突き出した岩に腰かけるサル。(PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST)

感情が静かに伝わってくるサルの写真10点

2016.10.11
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温泉に入るニホンザルで有名な地獄谷野猿公苑で、人間のような表情でくつろぐサルたちを自然写真家ヤスパー・ドゥーストが撮影した。

 温泉につかるニホンザルの写真は「スノーモンキー」として世界的に知られ、検索すればいくらでも見つかる。

 しかし、私は別の視点でこのサルたちを表現したかった。それぞれのサルの性格や特徴をとらえようと試みたのだ。

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気温は氷点下だが、水温は40度近い。湯気が立ち上る温泉でくつろぎながら、眠ってしまうことも珍しくない。(PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST)

 ニホンザルは、ほかのサルが分布する地域より北の土地に暮らしている。私は2007年に地獄谷野猿公苑を初めて訪れ、ここのニホンザルに衝撃を受けた。まるで人間なのだ。表情や行動を見ていると、親しみを感じずにはいられない。実際、鏡で見る自分の姿や娘の姿とよく似ている。

 結局、8度も地獄谷に通い、撮影した。聞くところによると、地獄谷のニホンザルが温泉につかるようになったのは1960年代。しかし、人間にとっては衛生的でないため、ニホンザル専用の温泉がつくられたという。

 現在、約160頭の群れが温泉を利用している。野猿公苑は観光名所となり、地域の貴重な収入源となっている。世界中から旅行者がバスでやって来て、サルを間近で見るために入場料を支払う。餌は公苑の職員が与えている。公苑にいるのは野生のサルたちで、動物園ではない。しかし、あまりに来場者が多いため、ほとんど動物園のような雰囲気だ。

 何年もサルたちを見ていると、保護しなければならないという気持ちが芽生えてきた。自然写真家は皆、同じ心境だと思うが、これからは実物大の被写体を切り取り、被写体の個性が伝わるような写真を撮っていきたい。同時に、写真を見た人々に、ニホンザルの幸せについて、観光業がもたらす影響について考えてもらいたい。

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冬の寒さの中、2匹の子ザルが体を寄せ合い、暖を取っている。(PHOTOGRAPH BY JASPER DOEST)

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Jasper Doest is a fellow of the International League of Conservation Photographers (ILCP). You can see more of his work on his website.

文、写真=Jasper Doest/訳=米井香織

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