第9回写真賞 受賞作品発表 

2022.05.27
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グランプリは該当者なし

「世界への発信を目指す写真家」の発掘を目的として創設された「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞」。コロナ禍のために2年ぶりの開催となった第9回は、ネイチャー部門とピープル部門で合わせて91人、合計122点の作品が集まった。写真家の野町和嘉氏と中村征夫氏、日本版編集長の大塚茂夫による審査が行われた。

 残念なことに今回は、グランプリおよびネイチャー部門の最優秀賞は該当者なしという厳しい結果となった。

 そうしたなか、北米の森林地帯「ノースウッズ」の大自然とそこに暮らす人々を撮り続け、第7回ネイチャー部門で最優秀賞を獲得した大竹英洋氏が、今回はピープル部門で同賞を獲得した。

受賞作品フォトギャラリー

審査員講評

野町 和嘉(写真家)
 コロナ禍で取材に出られなかった影響か、全体に「今踏み込んだ」という印象が薄く、気迫のこもった作品に出合えなかったことは誠に残念。既視感のある作品も多かった。ピープル部門最優秀賞の大竹英洋さんは、北米先住民の暮らしに密着し、伝統的な狩りと現代的な日常をモノクロで淡々と表現して、彼らの内面性を静かに伝えている。厳かさや共感を感じさせる作品だ。ただ、狩りの現場に踏み込んでなく、緊張感を伴った命を狩ることの切実さが伝わってこなかったことにやや物足りなさを感じた。

中村 征夫(写真家)
 ネイチャー部門もコロナ禍のためか、国内の作品が多かった。日本には美しい四季があるが、場所が近い分、テーマを決めずに気軽に撮ってまとめてしまう傾向が見られた。撮影地に足しげく通い、何度も写真を見直し、構成を考える努力をしてほしい。奨励賞の木全雅裕さんの作品にもそうした経過が見たかった。また、同じテーマで複数応募する人がいるが、それは有利には働かない。ここでは写真を選ぶ力、伝えたいことをいかに集約して表現するかという力量も試されている。

大塚 茂夫(日本版編集長)
 コロナ禍が撮影活動に大きな影を落としていることを実感させられた。そのためか、グランプリとネイチャー部門最優秀賞に該当する作品を見いだせず、とても残念に思う。しかし、さらに残念だったのは、コロナ禍という全世界を変容する出来事が起きているのに、その現実を記録した作品がほとんどなかったことだ。本写真賞には海外に被写体を求める作品が多く寄せられる傾向が強いが、海外渡航が制限される今、日本に目を向けて、記録するチャンスであるように思う。記録者の感受性が試される。

第9回 日経ナショナル ジオグラフィック写真賞 賞金・副賞

●グランプリ 賞金100万円(該当者なし)

米国ナショナル ジオグラフィック編集部によるフォトレビューと、日本での個展を行う(予定)

副賞:キヤノンマーケティングジャパン
EOS R6・RF24-105 IS STM レンズキット

ヴァイテックイメージング
ジッツオ トラベラー三脚 GT1545T+雲台GH1382TQDキット

●最優秀賞 賞金10万円

副賞:キヤノンマーケティングジャパン
EOS RP・RF35 MACRO IS STM レンズキット

ヴァイテックイメージング
NG W5310 3wayバックパック

●審査員奨励賞 賞金5万円

特別協賛:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

協賛:ヴァイテックイメージング株式会社、凸版印刷株式会社

後援:公益社団法人 日本写真家協会、一般社団法人 日本自然科学写真協会、一般社団法人 日本旅行写真家協会、日本野鳥の会、一般社団法人 日本フォトコンテスト協会

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