第8回写真賞 受賞作品発表 

2020.02.27
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「クシュティ」龍神 孝介(川崎市)
撮影地:インド

受賞作品フォトギャラリー

多彩な作品が勢ぞろい

「世界への発信を目指す写真家」の発掘を目的に創設された「日経ナショナル ジオグラフィック写真賞」。今回は、審査対象が初めて組写真のみとなり、ネイチャーとピープルの両部門で合わせて121人、合計146作品の応募があった。写真家の野町和嘉氏と中村征夫氏、日本版編集長の大塚茂夫による審査の結果、各賞が選出された。

 頂点に輝いたのは、相撲に似たインドの伝統的な格闘技「クシュティ」の稽古を記録した龍神孝介氏の作品。フォトジャーナリストとして活動する龍神氏は、第6回の写真賞でピープル部門優秀賞を受賞し、今回、待望のグランプリを獲得した。

審査員講評

野町 和嘉(写真家)
 龍神孝介さんの作品「クシュティ」は、ヒンドゥー教とも関わりのあるインド伝統の格闘技で、土にまみれて戦うレスラーたちに肉薄し、その息遣いまで写し込んでいる。宗教的な側面を含めさらに踏み込んだ取材を期待したい。高橋朝彦さんの「ザグロス山脈に生きる」は、西欧社会と長く断絶したイランの山岳地帯だからこそ残った遊牧民の日常によく踏み込んだ労作だ。今回から応募規定を、点数を制限した組写真としたことで、本写真賞と向き合おうとする写真家たちの本気度をより集約できたと思う。

中村 征夫(写真家)
 肉体がぶつかり合う音、泥まみれの体の美しさ、子どもたちに受け継がれていく規律。インドの格闘技、クシュティがもつ多様な要素を、グランプリの龍神孝介さんはよくとらえている。静かながら、迫力のある作品だ。ネイチャー部門最優秀賞の山田耕熙さんは、絶滅が危ぶまれるトラの悲哀を起承転結のあるストーリーで表現して、保護を訴えている。今回特別に奨励賞に選んだ山下峰冬さんの作品は、今まで見たこともない夜の神秘的な風景で、斬新だった。このシリーズをさらに広げた次回作を期待したい。

大塚 茂夫(日本版編集長)
 今回から組写真のみの募集となった。5~10点の写真で、一つの物語を視覚的に伝えるのは簡単ではない。知ってほしい物語は何か?何点で組めばよいか?組写真としてリズムはあるか?撮影者の感動や興奮を届けるには、いくつもの自問自答が必要だが、ここに選ばれた四つの作品はそれらの問いにちゃんと答えを見つけられている。だから、作品を見ていると、レスラーやトラ、遊牧民、サンゴの海を、カメラを構える撮影者の横で息をのんで見つめているような気持ちになれるのだろう。

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第8回 日経ナショナル ジオグラフィック写真賞 賞金・賞品

●グランプリ 賞金100万円

米国ナショナル ジオグラフィック編集部によるフォトレビューと、日本での個展を行う予定

副賞:キヤノンマーケティングジャパン
EOS R、RF24-105mm F4 L IS USM、
コントロールリングマウントアダプター EF-EOS Rのセット

ヴァイテックイメージング
ジッツオ トラベラー三脚 GT1545T+雲台GH1382TQDキット

●最優秀賞 賞金10万円

副賞:キヤノンマーケティングジャパン
EOS R、RF35mm F1.8 MACRO IS STM、
コントロールリングマウントアダプター EF-EOS Rのセット

ヴァイテックイメージング
NG W5310 3wayバックパック

●審査員奨励賞 賞金5万円

特別協賛:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

協賛:ヴァイテックイメージング株式会社、凸版印刷株式会社

後援:公益社団法人日本写真家協会、一般社団法人日本自然科学写真協会、日本旅行写真家協会、WWFジャパン、日本野鳥の会、NPO法人フォトカルチャー倶楽部、一般社団法人日本フォトコンテスト協会

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