夏至について知っておきたいこと、ストーンヘンジから火星まで

夏至はなぜ起こる? 世界ではどう祝われる? 「最も暑い日」ではないのはなぜ?

2022.06.20
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2005年6月21日、英国ソールズベリ平原のストーンヘンジに集まった人々が、この巨石記念物の真上に昇る夏至の日の出を見つめる。(PHOTOGRAPH BY PETER MACDIARMID, GETTY IMAGES)
2005年6月21日、英国ソールズベリ平原のストーンヘンジに集まった人々が、この巨石記念物の真上に昇る夏至の日の出を見つめる。(PHOTOGRAPH BY PETER MACDIARMID, GETTY IMAGES)
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 2022年の北半球の夏至は、協定世界時6月21日午前9時13分(日本標準時では同日午後6時13分)に当たる。

 昔から、夏至や冬至は季節の変わり目を示すものとして、春分や秋分とともに使われてきた。一方で気象学者は現在、気温の記録を使って季節を区切っている。では、夏至とは一体何なのだろうか。また、夏至は歴史上、どのように祝われてきたのだろうか。

「至」とは何か

 夏至や冬至は、地球の自転軸が公転軸に対して約23.4度傾いていることから生じる。自転軸が傾いているために、北半球と南半球では太陽から受ける光の量が1年を通じて変化し、季節ができる。3月から9月の間、北半球は太陽に向かって傾き、春と夏になる。9月から3月の間は、北半球は太陽と反対側に傾き、秋と冬になる。南半球では季節が逆になる。

 1年に2回、地球の自転軸が太陽に対して最も傾く瞬間が「至」と呼ばれる。この至を含む日に、太陽側を向いた半球では昼が1年で最も長くなり、反対の半球では夜が1年で最も長くなる。北半球の夏至は毎年6月21日ごろに起こり、これは南半球では冬至となる。同様に、12月22日頃に起こる北半球の冬至は、南半球では夏至となる。(参考記事:「冬至:天文と歴史とトリビア」

 至や分点(春分点と秋分点)がある惑星は地球だけではない。自転軸が傾いている惑星はどれもそうだ。実際、惑星科学者は太陽系の惑星の「季節」を、至や分点を使って定義している。

 ただし、他の惑星の季節は、気候的に地球と同じではないことに注意が必要だ。これにはいくつかの理由がある。まず、自転軸の傾きは惑星によって異なる。金星の自転軸は3度しか傾いていないため、夏至と冬至の間の季節差が地球よりずっと小さい。また、火星のように、より細長い楕円軌道をもつ惑星では、太陽からの距離が地球と比べて著しく変化するため、季節的な温度変化に影響を与える要素としては、自転軸よりこちらの方が大きくなる。

 円に近い軌道をもつ地球の場合、季節差には自転軸の傾きの方がはるかに大きな影響を与えている。1年の中で地球が太陽に最も近づくのは、12月の冬至(北半球の場合)の約2週間後だ。逆に地球が太陽から最も遠ざかるのは、6月の夏至の約2週間後になる。

歴史に見る至

 何千年もの間、世界中の文化がさまざまな方法でこの天文現象を祝い、あがめてきた。

 英国にある不思議な建造物、ストーンヘンジが建てられた目的はいまだ解明されていないが、この5000年前の遺跡が夏至や冬至と特別な関係をもつことはよく知られるところだ。ストーンサークル(環状列石)の外側にあるヒールストーンは、環の中心から夏至日の日の出の方向を見た線上に立っている。(参考記事:「ここまでわかったストーンヘンジ、その謎と壮大な規模」

次ページ:世界の夏至祭、夏至に関する誤解

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