緑の街に変貌を遂げたかつての工業都市ウッチ、ポーランド

「いつか訪れたい旅先25 2022年版」第15回

2022.05.16
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ポーランド、ウッチの中心にある自由広場。ウッチはかつて工業都市だったが、現在は持続可能な都市生活のリーダーになっている。(PHOTOGRAPH BY ISTOCKPHOTO, GETTY IMAGES)
ポーランド、ウッチの中心にある自由広場。ウッチはかつて工業都市だったが、現在は持続可能な都市生活のリーダーになっている。(PHOTOGRAPH BY ISTOCKPHOTO, GETTY IMAGES)

 豊かな映画文化を評価され、2017年にユネスコ創造都市に選ばれたポーランド中部のウッチ。人口約70万の都市で、19〜20世紀は織物工業の中心地だった。ポーランドの“ハリウッド”ともいえるウッチは今、環境に優しい未来を創造するため、工業都市だった過去のシナリオをひっくり返そうとしている。

 ウッチでは近年、家庭の暖房に廃棄物固形燃料(RDF)やバイオマスエネルギーを使用するなど、新しい環境技術を受け入れている。2021年には、ヨーロッパのeコマース配送プラットフォームである「インポスト」と提携し、70カ所の小包ロッカーと電気自動車の充電ステーションを設置することで、街の中心部の二酸化炭素排出量と交通量を大幅に削減した。

 また、小規模な新しい公園から約1200ヘクタールのワギエニツキ・フォレストまで、街の3分の1近くが緑地化されている。さらに、古い工業地帯では、工場が公園や文化センター、住宅、小売店に生まれ変わっている。ウッチのカルチャーマップで最も注目されているのはオフ・ピオトルコフスカ地区で、かつての紡績工場にアート、デザイン、ダイニング、クラブがひしめいている。

 I・K・ポズナンスキーの綿製品会社が建設し、1913年の時点で7000人を雇用していた別の巨大工場も、れんが造りの歴史建造物13棟がアートセンター兼ショッピングモール「マヌファクトゥラ」として生まれ変わった。敷地内の工場博物館では、ポズナンスキー家の「綿帝国」と工場労働者の日常を紹介している。

ギャラリー:いつか訪れたい旅先25 2022年版(画像クリックでギャラリーページへ)
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コスタリカ
(PHOTOGRAPH BY HEMIS, ALAMY STOCK PHOTO)
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※「いつか訪れたい旅先25 2022年版 もう一度旅に出よう」ほか、旅の記事は「旅・文化の記事一覧」でまとめてご覧いただけます。

文=ナショナル ジオグラフィック トラベラー ポーランド版/訳=米井香織

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