野生のゾウ輸出に批判も、ナミビアは強行突破の構え

すでに37頭を捕獲、半数以上は国外へ送る見込み

2022.02.21
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ナミビアの野生のゾウがオークションにかけられ、42頭が外国の入札者に売却されることになった。行き先は公表されていない。すでに22頭が捕獲され、飼育下に置かれている。捕獲後、2頭の子ゾウも誕生した。写真はナミビアで3年前に撮影されたゾウの母子。(PHOTOGRAPH BY WOLFGANG KAEHLER/LIGHTROCKET VIA GETTY IMAGES)
ナミビアの野生のゾウがオークションにかけられ、42頭が外国の入札者に売却されることになった。行き先は公表されていない。すでに22頭が捕獲され、飼育下に置かれている。捕獲後、2頭の子ゾウも誕生した。写真はナミビアで3年前に撮影されたゾウの母子。(PHOTOGRAPH BY WOLFGANG KAEHLER/LIGHTROCKET VIA GETTY IMAGES)
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 アフリカ南部にあるナミビアは、2021年にオークションで落札された野生のゾウ57頭の捕獲を進めていることを明らかにした。環境林業観光省(MEFT)が2022年2月15日付で発表した声明によると、すでに37頭が捕獲されており、そのうち22頭が輸出される。ゾウの輸出先について、中国が含まれる可能性は明確に否定している。

 事の発端は、2020年12月、人命の損失や物的な被害など人々の生活の妨げとなるゾウの個体数を減らすため、170頭をオークションにかけると発表したこと。ナミビアには2万4000頭のゾウがいる、と政府は推定している。この発表は、環境保護団体やゾウの擁護団体を仰天させた。

 野生のゾウを販売し、飼育下に置くことは、以前から問題視されてきた。知能が高くて長距離を移動するゾウが、果たして飼育下で充実した暮らしを送ることができるのか、群れを壊すことで結束の強い家族の関係が損なわれるのではないかというのが主な理由だ。(参考記事:「ロヒンギャ難民とゾウが衝突、死者13人に」

 MEFTは2021年8月、このオークションについて、初めて情報を公開した。当時の発表によれば、3組の入札者との間で57頭の「売却が成立」し、野生から捕獲されることが決まった。そのうち15頭はナミビア国内にとどまり、42頭が輸出されることになった。

 MEFTの報道官ロメオ・ムユンダ氏は、ナミビア政府は「すべてのプロセスが完了するまで、(ゾウの行き先に関する)詳細を明かすことはできません」と説明する。「これは入札者と交わした販売契約の条件です」

ドローンで捕獲されたゾウの様子を撮影

 南アフリカに拠点を置き、弱者支援や動物福祉に取り組むNPO、EMS財団のディレクターであるミシェル・ピックオーバー氏は「ゾウには刺激的な生態環境と社会環境、採餌や仲間の選択の自由といった基本的なニーズがあります。飼育下ではこれらのニーズを満たすことができません」と話す。「ナミビアには、ゾウが増えすぎているという『問題』はありません。私たちはすべて金銭的な利益のためだと考えています」

 2020年12月に出したオークションの公示には、「ゾウは群れで売られるため、家族がバラバラになることはない」と書かれている。輸出用に捕獲された22頭が暮らす農場をドローン撮影した映像では、複数の子ゾウが確認できる。この映像はナミビアのジャーナリスト、ジョン・グロブラー氏が2022年2月12日に撮影したものだ。グロブラー氏は、妊娠しているゾウがほかにもいて、飼育下でのストレスが早産の引き金になるのではないかと心配している。

「私たちはゾウの群れを捕獲しました」とムユンダ氏は述べ、「妊娠しているゾウがいた可能性もあります」と続ける。さらに、ムユンダ氏は捕獲後に2頭の子ゾウが生まれたことを認めたうえで、「彼らは元気にしています」と語った。

次ページ:野生のゾウの輸出はそもそも認められるのか

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