安全な母親の口の中に競って飛び込むハプロタクソドン・ミクロレピスの稚魚。シクリッドの多くの種と同じく、この種も口内保育をする。親は雄も雌も稚魚を口に入れて運び、食事をさせるときは外に出し、危険があればすぐに口に入れて隠す。(PHOTOGRAPH BY ANGEL FITOR)
この記事は雑誌ナショナル ジオグラフィック日本版2022年2月号に掲載された特集です。定期購読者の方のみすべてお読みいただけます。
アフリカ最古の湖に生息する魚、シクリッドの多様性が、生物の進化の謎を解く手がかりになるかもしれない。
カワスズメ科の魚類であるシクリッドに関しては、何もかも並外れたことばかりだ。
中部アフリカと東アフリカの境に位置するタンガニーカ湖に生息する種だけでも、970万年の間に、単一の祖先からおよそ250もの種が進化したと考えられている。
そのなかには人間の幼児ほどの体長になる種も、小指ほどの長さしかない種もある。砂地に手の込んだ“舞台”を作って繁殖相手を引きつける種もあれば、ハーレムを形成する種もある。彼らの多くは子の面倒をよく見るが、時には自分の卵を食べてしまうことも。シクリッドは爆発的な多様化を遂げ、タンガニーカ湖内のほぼあらゆる環境に適応してきた。
無数の稚魚を見守るボウレンゲロクロミス・ミクロレピス。クーへとも呼ばれる。成魚は体長80センチになることもあり、タンガニーカ湖に250種近く生息するシクリッドの固有種のなかで最大だ。(PHOTOGRAPH BY ANGEL FITOR)
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